RWBYのアクションを彩るアニメーターを紹介したいだけの記事

この記事は海外アニメ「RWBY」のアクションシーンを作り上げてきた歴代のアニメーターを大雑把に紹介するだけの記事です。

3/26追記。各人の主な担当パートを追加いたしました

執筆の動機

RWBYといえば、ド派手でスタイリッシュなアクションシーンが特徴であり、それらの戦闘シーンが話題に上がることも非常に多いです。その一方で、RWBYの戦闘シーンの作り手側の話はあまり話題に上がることは無く、また、「どういう人がRWBYのアクションシーンを作っているか?」ということも殆ど知られてはいません。そういったあまり知られていないアニメーターを知ってほしい、良いものを作る人が評価されて欲しいという考えが、この記事を製作した動機です。情報少ない人は文章量少なめですがご了承ください

情報ソースとしては、こちらのGoogleドキュメント

及び各人のTwitterやRWBYのBDのオーディオコメンタリーを参照しています。

アニメーター紹介 






Monty oum

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言わずと知れたレジェンドアニメーターにしてRWBYの生みの親。2015年に亡くなられています。

ダンスの振付にも近い軽快かつ手数の多い殺陣が特徴で、どこか格ゲーチックな横視点が多いのも特徴の一つです。また、多人数戦闘に関しては他の追随を許さない天才的な才能の持ち主でした。RWBYを作り上げる以前からRed vs blueのアニメーターとしてRT社に所属しており、数々の名アクションシーンを作り上げました。個人製作の動画も沢山上げており、特にDead fantasyやHaloid等はおもしろフラッシュ倉庫なんかで取り上げられていたので知っている人も多いのではないでしょうか。

担当パート

・Vol1~2の殆ど

Shane Newville

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Vol1からVol3までRWBYに携わっていた方。Red vs Blueにも携わっていたようです。

Montyからアニメーションを学んでいた方で、師と比べると重みや緩急をつけたアクションが印象的です。また、アクションにおいて足技を多く組み込むのも特徴的です。彼のソロ制作動画としてロックマンXのファンアニメーションがあり、どこかでそれを見たことがあるという人も多いのではないかと思われます。以下にURLあり

主要な担当パート

・ペニーVSホワイトファング(Vol1)

・ピュラVSマーキュリー(Vol2)

・グレン山でのベオウルフVSチームRWBY(Vol2)

・ヤンVSマーキュリー(Vol3)

Dustin Matthews

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Vol1から、ひいてはRvBの頃よりRTで働いている古参アニメーター。Vol3~5のリードアニメーターであり、Vol7ではエピソードディレクターの役職に就いています。彼もモンティから教えを受けていた一人だったようです。前述の二人に比べると構図を重視したアクションが多く、後述するジョエル・マン共々Vol4以降のRWBYのアクションシーンのベースとなっている印象を受けます。

主な担当パート

・レンVSキングタイジツ(Vol1)

・ウーブレックVSパラディン(Vol2)

・ピュラVSペニー(Vol3 Austinと共同制作)

Austin Hardwicke

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Vol1~5に参加。Vol1の入学試験の着地シーンを作った方です(戦闘シーンではありませんが…)。

Vol3以降様々なアクションシーンに携わっており、中でもVol4のヤンのスパーリングとVol5のヤンVS盗賊団は彼主導で制作されたシーンになっています。上記のgifにも表れているとおり、彼の作るシーンにはキャラがカメラに向かって迫るカットが含まれていることが多いです。またRWBYの舞台裏を紹介する番組「RWBYRW」にて彼の演出方針への言及が為されており、これらの演出はK-POPアーティストのMVのカメラワークからインスピレーションを受けていることが明らかになっています

日本在住であり、Vol6時はGenlockチームだったこと、及び製作のタイミングと日本に引っ越したタイミングが重なったためか、Vol6の制作には関わっておらずVol7ではアシスタントリードアニメーターとして一部のエピソードに携わっています。

主な担当パート

・アイアンウッドVSアトラシアンナイト(Vol3)

・ヤンとタイヤンのスパーリング(Vol4)

・ヤンVS野盗(Vol5)

・シンダーVSレイヴン(Vol5 上記gifの個所からレイヴンがシンダーを蹴り飛ばすまで)

Joel Mann

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Vol2より参加。Vol3~5にてダスティンと共にリードアニメーターを務め、現在はアニメーションディレクター(2Dアニメで言う作画監督)を務めています。

彼の特色としては、今まで紹介してきたアニメーターと異なり、2Dアニメ的な文脈の、ダイナミックな構図を多用したカットを多く製作していることが挙げられ、日本のアニメ的な演出も多く取り込まれています。

Vol2当時からモンティにその構図のカッコ良さと仕事の正確さを高く評価されており(オーディオコメンタリーより)、その甲斐あってか、Vol2の初仕事からすぐにリードアニメーター職に就いています。

担当パートに関してですが彼はデモリールを上げていないので消去法による推測が多くなっています。申し訳ありません。

主な担当パート

・市街地でのRWBY&JNPRvsグリムの大群(Vol2)

・RNJRvsペトラガイガス(上記gifのカット?)

・ルビーVSローマン&ニオ(Vol3)

・クロウVSティリアン(Vol4 恐らく開戦からクロウのジャンプ回転切りまで?)

・シンダーVSレイヴン後半戦(Vol5 恐らくレイヴンが飛び上がってからAustinの担当カットまで)

Dillon gu

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Vol3のみ参加したアニメーターです。自身のDiscordサーバーにてアニメーター同士の交流を主催しており、その活動の一部は、YoutubeのThe Goostationチャンネルにて公開されています。また、OverWatchや鬼滅の刃などのファンアニメーションも意欲的に制作しています。

彼はモンティの影響を受けたアニメーターの一人であり、作風もモンティに近いものとなっています。その一方で日本の作品をオマージュすることも多く、上記gifで取り上げているマーキュリーのアクションシーンでは映画「るろうに剣心」やアニメ版「鋼の錬金術師」をオマージュしたカットが組み込まれています。

また、下記gifで見られる魚眼レンズのような演出や引きのカメラからゆっくりとズームする演出も印象に残ります。

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主な担当パート

・ココ&ヤツハシvsマーキュリー&エメラルド(Vol3)

・アイアンウッドVSアルファベオウルフ(Vol3)

他にもいろいろ担当していますが複数人共作が多いのではっきり彼の仕事だとわかるところだけ(後発の方々も同様です)

Kim Newman

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Vol3~5にてRWBYに参加、その後Genlockのリードアニメーターを務めたのち、現在はゴッドオブウォーで有名なソニーサンタモニカスタジオに所属しています。後進育成を積極的に行っており、Vol6~7で活躍したスタッフの中には彼女の元で学んだ方も多かったようです。

彼女の演出の特色としてしばしば挙げられるのは距離の表現です。斜めからのカットを多用し、キャラ同士の距離感を表現することに長けています。下記のgifにもある通り、Kimの製作したカットではこういったカメラワークが多用されています。

ダウンロード

主な担当パート

・クロウVSティリアン(Vol4 顔をしかめるルビーのカット直後の攻防)

・ヤン キャラクターショート(上記gifに収録された一連の攻防)

・ブレイクVSイリア後半戦(Vol5)

・サンVSイリア(Vol5)

Melanie Stern

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Vol3から参加。Vol7にてアシスタントリードアニメーターを務めています。

Vol4からバトル製作に関わって来ましたが、彼女主導でのアクションが増え始めたのはVol6から、という印象が強いです。

ワンカット長回しのようなシーンを多く作る方で、ジョエルとはまた違った意味で独特の作風を持っています。RWBYではありませんが、Gen:lockでも板野サーカスめいた長回しの空中戦カットを担当していました。

主な担当パート

・アダム キャラクターショート(後半部のシエナのアクション)

・マリーアVSトック(Vol6 マリーアが鎌を合体させたあとのシーン全て)

・JNR+OvsFNKI(上記gifの長回しカット)

Megan Pellino

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Vol5からの参加。本格的にアクションシーンに携わり始めたのはVol6からです。

キャラの表情を見せるカットが多いのが印象的な方です。個人的な感情になりますがヤンブレVSロビンが短いながらも超良かったのでもっといろんなシーンに携わってくれるとうれしいなと思っています(小並感)

主な担当パート

・ブレイクVSアダム(Vol6-11 後半部 滝でのブレイクVSアダム)

・ヤン&ブレイクVSロビン(Vol7 殺陣部分)

・RWBYvsエースオプス(Vol7 ルビーVSハリエット)

Matt Drury


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Vol5から参加。Vol6からアクションシーンを任せられることが増えたようです。Vol6、7ともにOPの一番動くカットを任されてるので印象に残ってる人も多いんじゃないでしょうか。

空間を使ったダイナミックなアクションから密度の濃い殺陣までなんでもござれの凄い方。Vol6のメイキングにて「目線や表情でキャラの思考を表現するのが好き」と語っており、Vol6のニオVSシンダーではそれが特に現れています。

余談。彼はRWBYに登場するアダムをお気に入りのキャラとして挙げており、更にVol6ではアダムのモーションアクターを務めています。そしてアダムのラストシーンを作ったのも彼です。なんてことを……(絶句)

主な担当パート

・アダム キャラクターショート(後半 アダムが剣を蹴り飛ばすカット)

・ヤンVSアダム(Vol6 開幕からブレイクとヤンの会話が挟まるまで)

・シンダーVSニオ(Vol6 机の上での攻防からリル・ミスに戦闘を止められるまで)

・クロウVSクローバーVSティリアン(Vol7 前半部全て)

Joe Vick

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Vol6から参加。アマチュア時代はMontyのHaloidをオマージュしたアニメーション作品を製作していました。

カメラをグリングリン動かす戦闘シーンと緩急のあるモーションが特徴です。個人的にはカプコンゲーのイベントシーンというか下村監督チックな作風だなと思っています。

主な担当パート

・シンダーVSニオ(Vol6 店の外に出てからの殺陣)

・クロウVSマンティコア数匹(Vol6 列車の上での闘い)

・ヤンVSアダム(Vol6 Mattのパートの後の一連の攻防)

・ヤン&ブレイクVSエルム&ヴァイン後半戦(Vol7 )

Peter Dang

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Vol7からの参加スタッフ。

空間を存分に使ったスピーディーでアクロバティックなアクションを作る方です。あとこの人が担当したカットは武器の扱いのトリッキーさが増す気がします(クロウの変形機構を使った武器の跳ね上げとか)

主な担当パート

・走るハリエット(Vol7)

・クロウ&ロビン&クローバーVSティリアン(Vol7 ティリアンがクローバーに襲い掛かるところからクロウが壁を蹴るところまで)

・ヤン&ブレイクVSエルム&ヴァイン前半戦(Vol7)

John Yang

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Vol5~6に参加。現在はソニーサンタモニカスタジオに所属しています。

メリハリのあるスピーディーなアクションが得意な方。

遠景ではあえて動きを崩して中割みたいにしたり結構独特な作風の方です。

余談。先日John、Joe、Peterの三人が個人製作の戦闘アニメーションを上げており、これがメッチャカッコよかったので一回見てほしいです。マジで凄い(小学生並みの感想) 以下URL

主な担当パート

・アダムVSブレイクin森(Vol6)

・マリーアVSトック(Vol6 鉈持ちの雑魚吹っ飛ばしてからトックに蹴り飛ばされるところ)

Erika Soosaar

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Vol5から参加。前述のKimをメンターとしており、作風にも近いところが見受けられる方です。

RWBYのほか、GenlockやDeathBattleにも携わっており、色々なアクションシーンを製作しています。踊るようなキャラの動きが印象に残る方です。

DeathBattleの美鶴VSワイスの後半の剣戟はこの人の担当でした。↓これ


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主な担当パート

・ワイスVSヴァーナル(Vol5)

・クローバーVSクロウ&ティリアン(Vol7 後半戦)

終わりに

RWBYにおける主要アニメーターはあらかた網羅できたかな?と思います。誰も彼も超カッコいいシーンを作る人ばっかりなので有名になってほしいなという願いを込めながら書いてみたら結構長いNoteになってしまいました。

今回は長尺のアクションシーンを担当したことのあるアニメーターさんに絞って紹介しましたが日常シーンを担当してる方も取り上げた第二段とか作ってみたいですね。

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