田中 瑛斗(20歳・日ハム)投手
46 田中 瑛斗 184/73 右/左
「来年にはローテーション入り」
来年には一軍で先発の一角に加わってきそうなのが、高卒2年目の 田中 瑛飛(柳ヶ浦出身)投手。スラッとした投手体型で、見るからにセンスの良さが滲みでている。そんな期待の若手有望株を、高校以来レポートしてみた。
(投球内容)
いかにも先発投手といった感じで、ゆったりしたフォームから投げ込んで来る右の本格派。指先までしっかり力が伝えられるリリースで、コンスタントに140キロ中盤を記録し観戦した試合でも148キロまで到達していた。何より、打者の手元までの勢いが素晴らしい。
変化球は、スライダーにカーブ、さらにフォークような沈む球と持ち球はオーソドックス。変化球でカウントこそ整えられるが、勝負球は真っ直ぐに頼らざるえないといったところが現状か。
(課題)
フォームが直線的なため、ボールのでどころが見やすく合わされやすい。また、全体的に高めに集まってしまっている。これでは速球に勢いがあるうちは相手も打ち損じてくれるが、少しでも勢いが鈍って来ると痛打を浴びてしまう。また体力的にも、序盤の勢いが3回ぐらいまでしか持続できていない。したがってローテーション投手として回ってゆくためには、この球の勢いを5回ぐらいまで持続できるだけのスタミナと筋力を養いたい。
(今後の改善点)
股関節の柔軟性を養いつつ下半身を強化し、着地するまでの時間を稼ぎたい。具体的に言えば、「イチ・ニ~の・サン」の「ニ~」の部分を作れるタメが欲しい。
これを作るには、段階を踏んで肉体を強化し着地までの時間を遅らせ、下半身をもっと使えるようにするべきだろう。そうすれば自ずと肩の開きは遅くなってくる。また足の甲でも地面を押し付けられるぐらいに重心が沈められるようになれば、もっと低めにも集まることになる。そしてもう一つ、リリース時にしっかり手首を立てる意識で腕を振ることを心がけたい。
(もし今一軍で起用したら)
すでに短いイニングでならば、一軍でも通用するレベルに到達しつつある。しかし今のままでは、試合中盤には目が慣れられ一巡もすれば攻略されてしまう可能性が高い。さらに使われ続けた場合に、体力や筋力不足から、パフォーマンスを低下させないと継続的に投げ続けることは難しい。少しでも勢いが鈍れば、今のままでは一軍打者達の格好の餌食になってしまうだろう。大きく育てるためには、球団も本人も今は我慢の時なのではないのだろうか。
(来年には)
今年1年ぐらい二軍で身体をいじめ抜くことができれば、来年の春のキャンプには一軍に抜擢。オープン戦などで存在感をアピールできれば、先発入りも充分期待できるのではないのだろうか。
今やチームのエース格に育った 上沢 直之(25歳)の成長過程に似ており、素質でもヒケをとらないほど。3年目には一軍で先発を経験し、4年目には二桁投手へと、そんな青写真が描けそうな楽しみな素材なのだ。
(2019年 5月)
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