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ヨーロッパ文化教養講座(2023年イタリア映画 「僕はキャプテン」)

2024/05/09
イタリア映画祭2024で鑑賞
イタリアの巨匠監督の作品だが、主人公の2人の若者はセネガル人で、
公用語はフランス語(と現地の言葉ウォロフ語?)。
舞台も、セネガルからサハラ砂漠を通ってシチリアに達するまでなので、イタリア映画らしいところが何かあるのかは不明。

話としては、貧しい生活から逃れるためにヨーロッパへ移住(というより不法移民)すべく従兄弟同士の2人の若者が母親に黙ってブローカーへお金を払い、言い尽くせない苦労をしながらサハラ砂漠を縦断し、地中海を渡る。
地中海を渡る船のキャプテンを主人公が務めたことが、原題となっている。
不法移民側の目線から描いた作品とも言える。

主人公が自立し目標を成し遂げる成長物語としてみれば感動的。

ただ今振り返って作品のことを考えると、
セネガルでの暮らしが貧しいことはわかるが、不法移民しなければならないほど困窮しているかというと映像ではわからない。
また、シチリアに着いた後は不法移民として裁かれ、更に苦難の道を歩くだろうということを考えると、とてもハッピーエンドと言えないのではないかと思う。

D.僕はキャプテン

[2023/121分]原題:Io Capitano
監督:マッテオ・ガッローネ Matteo Garrone
出演:セイドゥ・サール、 ムスタファ・ファル

巨匠マッテオ・ガッローネ(『ゴモラ』)が放つ渾身の一作は、セネガルの青年2人がアフリカを縦断し、ヨーロッパを目指す壮大な旅の物語。セイドゥとムッサは、豊かな生活を求めて親族に知られることなく、ダカールを離れる。しかし、彼らを待ち受けていたのは想像を超える数々の困難だった。いわば現代版オデュッセイアの本作は、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)やマルチェッロ・マストロヤンニ賞(若手俳優賞)などを受賞、アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた。

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