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ヨーロッパ文化教養講座(「DOCあすへのカルテ」シーズン2(12)「ゴールド・スタンダード」 鑑賞記)

2023/12/05
今回エピソードは冒頭の2分で、チェチーリア・テデスキが主役の座を奪った。

原題は、「Gold standard」イタリア語から見れば英語の外来語ということになる。
日本理学療法学会連合会のWEBの中に、
「 ゴールドスタンダードとは,診断や評価の精度が高いものとして広く容認された手法のことであり,標準基準 (criterion standard)や参照基準(reference standard)ともいわれています.」という説明があった。
*この手法が、CTや生検だと理解した。

1.今回の患者は、3人
アンドレアは、医長資格テストの最終段階で、カルーソにいきなり命じられて1日医長を務めることになった。試験官は、ダミアーノ。
そこに、ガブリエルがやってきて、自分がコロナ検査結果を陽性に書き換えて、内科チームを裏切ったことを告白し、医師を辞めようとする。

アンドレアは、直ぐに休暇中(ダヴィデ、マニュエルと3人で海岸で遊んでいる)のアニェーゼに電話をし、彼女から励ましをもらう。

カルーソは、病院のシステムをわざとダウンさせ、「ゴールドスタンダード」すなわち、CTや生検が使えないようにするという暴挙に出る。

アンドレアは、仮医長の立場で、ゴールドスタンダードなしの状態での各患者の扱いに悩む。

a)  1人の男性。
冒頭、チェチーリア・テデスキとある男性が、高級ホテルで一夜を過ごしているときに、この男性が急に苦しみだし、同じホテルに泊まっていた、アンドレアに助けを求めるというショッキングなシーンから始まる。
この男性は、アンブロジャーノ総合病院へ救急搬送されるが、カルーソの秘書の夫(製薬会社幹部)と判明。
ゴールドスタンダードが使えない中、アンドレアは、患者の両手を持った瞬間に、大動脈解離ではないかと思い、カロリーナが付き合っている、外科医エドアルドに手術を依頼する。
エドアルドは、ゴールドスタンダードなしの手術は免責のお墨付きが必要とアンドレアに迫り、仮医長の立場としてアンドレアは悩む。

b) 心理士のルチーア
ルチーアは脇腹の痛みで倒れているところをガブリエルに発見され入院する。虫垂炎の疑いは濃厚だが、ゴールドスタンダードが無い段階では最終診断が下せない。
ルチーアの夫は、成功したビジネスマンではあるが、パワハラ、モラハラ系のやばい男。
担当のガブリエルに暴言を浴びせたりしながら、とにかく早くルチーアを退院させ、自分と同行してニューヨークの授賞式へ出席させようとする。
パワハラ夫に従っているルチーアにガブリエルは不信の念をいただくが、ルイーザからルチーアが、若いときに義父(母の後夫)から性的虐待を受けていたことを聞き、ルチーアが夫のパワハラに対抗できない心理状態を理解する。
アンドレアは、仮医長の立場として、ルチーアの夫の要求を受け入れるべきか悩む。

c) 女性市長(マフィアに対抗して選ばれた新市長)
女性市長は、原因不明の体の痛みのため、入院。
リッカルドがゴールドスタンダードなしの検査で原因の推定をし、確定診断のためには、痛みに苦しむ女性市長を立たせる必要があると力説する。
リッカルドを仕事依存症だと言って心配するアルバはそのことに反対し、チェチーリアは、医長としては消化器内科へ移すべきと主張する。
仮医長の立場のアンドレアは、消化器内科へ転院すると決めようとする。

2.「DOC」としてのアンドレアが復活し、3人の患者は救われる。
アンドレアは、「仮医長」の立場に堪えられなくなり、キレて屋上へ逃げる。
そこに、ジュリアが追いかけてきて、「アンドレア=DOC」が、「ゴールドスタンダード」だと強く訴える。

アンドレアは、意を決して、病棟へ戻り、
a) の男性の手術は、自分で責任を取るとエドアルドに手術を依頼。
エドアルドは、カロリーナの過食症の話を聞いて、ドラッグなしでの手術を成功させる。
エドアルドも、コロナ渦で何もできない自分のメンタルを保つためにドラッグを始めたことを告白する。
その時に、カロリーナは、エドアルドにロレンツォに付けていた酸素マスクを外したことを(夢の中の話とは付け加えたが)告白する。
その会話を、カルーソの黒幕が盗聴していた。
b) ルチーアには、夫の要求する退院許可を拒否。近くの病院でCTを受けさせ、虫垂炎の診断を確定する。ガブリエルはルチーアに「決めるのは自分だ」と言って、パワハラ夫に依存しているルチーアの心を解放する。
c) 女性市長には、わざと挑発するような言葉で、本人を立ち上がらせ、触診しリッカルドの見立てが正しかったことを証明する。市長は、コルセットを着けてもらい、痛みが取れ、再び市長としての仕事に復帰する意欲を持つ。

3.試験官のダミアーノは、カルーソに、アンドレアの面前で試験は合格だと宣言する。
カルーソは諦めようとするが、黒幕は、カロリーナがエドアルドに話した内容の録音を使って、アンドレアの医長就任の妨害を諦めずに続けるらしい。

チェチーリアとアンドレアは、今回のテストがうまくいったことを祝って、「ゴールドスタンダードである、DOC」に乾杯する。チェチーリアは、アンドレアを寝室に誘おうとするが、アニェーゼを愛し続けているアンドレアは、その誘いを断った。

4.3人の新登場人物については、キャラクターがハッキリしてきた。

・チェチーリアについて
今回までのエピソードで、彼女の人間性や考え方がかなりわかってきた。
1)好色なこと
2)アンドレアに好意をずっと持っていたこと
3)内科医長をしたかったのは、アンドレアに対する恨み、憎しみなどの感情からではなく、あくまでも医者として方向性が違ったこと。
しかも、アンドレアの「DOC」としてのやり方に理解し始めていること
・ルチーアについて
今回のエピソードで、彼女の不幸な生い立ちにも言及された
・ダミアーノについて
中立的立場にたっていることが強調された。

5.今後の展開予想

・カロリーナがエドアルドに告白したことの内、「夢の中の話」という部分を消した音声を、アンドレアの医長就任を最後まで阻止したい、医療機器メーカーとカルーソがどのように使うかが見所。
エピソードは、あと4回あるので、最終話まで視聴者を一喜一憂させると思われる。

・リッカルドが仕事依存症の過労で倒れたり、
・ガブリエルが医者としての使命感を再度、エリーザかルチーアの力で取り戻したり、
・ジュリアとダミアーノがよりを戻したり、(ダミアーノがDOCをカルーソ側の陰謀から救ったことがきっかけ?)
・カルーソの秘書が今回のことで、DOCに恩返しをする?
・アニェーゼは、ダヴィデ、マニュエルとこのまま幸せになるとは思えない?
(シーズン3もあるので、話のネタが続かない)



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