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ヨーロッパ文化教養講座(2023年11月22日 反田恭平+NDRエルプフィルハーモニー演奏会 感想記)

2023/11/26

反田君が指揮者や指揮振りではなく、ピアノに専念するコンサート。
NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団は、世界で屈指の音響を誇ると言われている、エルプフィルハーモニー・ハンブルクを拠点とするホーケストラ。旧称は、ハンブルク北ドイツ放送交響楽団だったらしい。

以前、オペラ歌手の車田和寿さんのYouTubeで、ドイツの放送交響楽団は各地あるがどこもレベルが高いという話しを聞いていたので、反田恭平のピアノだけでなくオケにも期待して大阪まで出かけた。

日時:2023年11月22日(水)開場:18時 開演:19時
会場名:ザ・シンフォニーホール (大阪府)
指揮:アラン・ギルバート
ピアノ:反田恭平
プログラム:
1)ブラームス:ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 op.15
2)ソリストアンコール:
グリーグ:叙情小曲集第8集 作品65-6 「トロールハウゲンの婚礼の日」
休憩 20分
3)ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調 op.73
4)アンコール:ブラームス ハンガリー舞曲

コメントと感想

1.ホールは、藤岡幸夫マエストロの番組エンター・ザ・ミュージックでおなじみの関西フィルの本拠地ザ・シンフォニーホール。今回生まれて初めて行った。
再開発が進む大阪梅田駅から徒歩15分の高層マンションの中に鎮座する。ザ・シンフォニーホールという命名から大阪人が誇りとしているホールだろうと推測される。
このホールはWIKIによると、「ホール内部はステージを囲むように4面に客席を配するアリーナ形式のシューボックス型配置」という構造で、小生の座席は、3階の後方だったが、舞台は意外と近かった。
女性の調律師が開演直前まで鳴らしていたピアノの音も、ホール全体に響きわたる感じでとても音の良いホールだと思った。
1704席あるホールは、残念ながら満員御礼とはいかなかったようだった。

2.指揮者のアラン・ギルバート氏と共に反田君が入場し、いよいよブラームスの協奏曲第1番の長い前奏が始まる。
ブラームスのピアノ協奏曲は2曲しかなく、2番の方が演奏機会は多いようで、1番を生で聴くのは初めてだと思う。
最近はロマン派以降のピアノ協奏曲が演奏会でよく取り上げているので、この曲はブレンデルのCD以外は殆ど聞いたことがない。

3.ブラームス独特の渋すぎる曲想と演奏技術が高すぎるのが敬遠される理由かも知れないと勝手に思う。1番はオーケストラのフォルテッシモで派手に始まりピアノの入りもいい感じなのだが、いかんせん1楽章だけで20分以上かかり全曲を集中して聴き続けるのは結構体力がいる。

4.でも、この大曲を反田君は楽々と完璧に弾きこなしたように見えた。

5.この日が初日だったためか、1楽章はオケとのちょっとしたズレが気になったが、2楽章3楽章と進むうちにオケとピアノの一体感が増して、フィナーレは反田君もとても満足して終われたようだ。

6.アンコールもその喜びを表現したのか、明るいグリーグの「トロールハウゲンの婚礼の日」だった。
この曲は今年の1月鹿児島市の宝山ホールで大雪の中聴きに行った、務川君との2台ピアノリサイタルでもアンコールで弾かれたので直ぐにわかった。

7.後半は、ブラームスの2番。
8月、キリシマ祝祭管弦楽団の宝山ホール公演で聴いたので、今年2回目になる。キリシマ祝祭管弦楽団の講演も出だしのホルンが少し異音を出した以外は良い演奏だったが、本場ドイツの一流オケなら、圧倒的な演奏をしていくれると期待していた。
結果は、ちょっと期待が高すぎたせいかもしれないが、たぶん、実力を100%出し切れた演奏ではなかったように思われた。

1番気になったのが、4人のホルン奏者のうち、1人の奏者の音が安定していなかったこと。
難しい3楽章のフィナレーレ部分のテンポはピッタリと合っていたが、少々異音がした。

来日して最初の公演だったので、体調の悪い奏者もいたかもしれない。公演を重ねる内に完璧に近づくのだろうなと思いながら、大阪遠征を終えた。

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