見出し画像

ヨーロッパ文化教養講座(2024年4月12日 九響太田弦+亀井聖矢 コンサート 鑑賞記)

2024/04/13
九州交響楽団は今年度より30歳の太田弦氏を首席指揮者に迎えた。
今回の2公演が定期公演のデビューコンサート。
また、来年のショパン国際ピアノコンクールに出場する(と確信している)亀井聖矢君がショパンの1番を弾くというので急遽、アクロス福岡まで聴きに行った。

日時:2024年4月12日 開場:13時 開演:14時
会場:福岡シンフォニーホール(アクロス福岡)
演奏:九州交響楽団
指揮:太田弦
ピアノ:亀井聖矢

プログラム:
0)指揮者による楽曲紹介
1)ショスタコーヴィチ:祝典序曲 イ長調 作品96
2)ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11
ソリストアンコール
3)リスト:ラ・カンパネッラ
休憩20分
4)ショスタコーヴィチ:交響曲 第5番 ニ短調 「革命」作品47

コメントと感想:
1.0)開演10分前になると、大田弦氏がマイクを持って登場。
先ず、自己紹介。
「30歳です」というと場内からどよめきがおきる。
「この反応は、年上に見られているのですか、年下に見られているのですかは、わかりませんが。。。」と言って場内の場を和ませる。
曲の紹介は、「1)の祝祭序曲を省略無しで金管をフルに揃えて演奏します。」「3)「革命」は、あまりここで演奏されてこなかったということで選びました。」くらいでさらっと終わらせ、亀井聖矢君を呼ぶ。
予期していなかった亀井聖矢君の登場に、ほぼ満席の客席からどよめきと大きな拍手。
やはり、亀井聖矢君の人気は全国的だと思った。

2.2人が退場するとまもなく、オケメンバーが入場し、1)の祝祭序曲。
明るくて迫力満点の曲。ざっと数えると、金管だけでも30人ほどいて、
さぞかし、ギャラが大変だっただろうと思う。

3.ピアノを中央に据えて、亀井聖矢君が登場し、ショパンの1番。
この曲は、以前、N響のMAROさんが言っていたが、弦は単調でつまらないそうで、2楽章でピアノと掛け合いをするホルンとファゴットの首席がキチンと演奏さえすれば、プロオケであれば、どこも問題ないと思う。
協奏曲というより、オーケストラ伴奏付のピアノ曲。

4.亀井聖矢君は、昨年鹿児島のリサイタルのときに、リストの素晴らしさと比較して、ショパンはちょっと恐る恐る弾いているイメージがあった。
今回のショパンは出だしは少し緊張感を感じ、ルバートが安定しない感じは受けたが、その後は実力を発揮し、第2楽章は、ゆったりとしながら、しっとりと、かつ、しっかりとした音を響かせた。
第3楽章は、テクニックの高さを見せつけると同時に、キラキラとした高音も響かせ、観客も演奏に引きつけられて、終わった。

5.前席に陣取った数十人の女性が、直ぐに立ち上がり、スタンディングオヴェージョン。カーテンコールの後に、得意のリストのカンパネッラ。
2月にブルース・リウ君の高速カンパネラを聴いたが、小生としては、イメージ通りのペースと、音質の亀井君のカンパネッラは何度聞いても素晴らしいと思う。

6.亀井聖矢君が来年ショパンコンクールでどのくらいの演奏をするかが、本当に楽しみだ。

7.休憩のあと、4)の革命。長いし、暗い不協和音の塊の曲なので、あまり好きではないが、太田弦首席指揮者は、小柄な体を目いっぱい使って、最後まで集中してオケをコントロールした。
この曲は、一昨年、ボストンフィル+ネルソンスの演奏を聴いてしまったので、要求レベルが高くなりすぎていることは自覚しているが、やはり感動するところまではいかなかった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?