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ヨーロッパ文化教養講座(「題名のない音楽会 オペラの音楽会」を観て)

2024/02/10
昨年2023年7月17日にKOBELCOホールで聴いた佐渡裕マエストロの「ドン・ジョバンニ」の主役お二人が出演し、興味深い演奏を聴かせてくれた。

役柄は声の高さで決まる!オペラの音楽会
みなさんはオペラの役柄が声の高低で決まってしまうのをご存知でしょうか?
古坂大魔王さんをお迎えし、作曲家・加藤昌則さんの解説でオペラの仕組みを紐解きます。
さらに、一流音楽家の演奏でオペラの代表曲をたっぷりお送りしました!

♪出演:加藤昌則、大西宇宙、高野百合絵、古坂大魔王
演奏:林周雅ストリングス

テレ朝「題名のない音楽会」ホームページより

演奏した曲:

1.オペラ『ジャンニ・スキッキ』より「ああ! 私の大事なお父さま」
ソプラノ:高野百合絵

プッチーニの三部作『外套』、『修道女アンジェリカ』、『ジャンニ・スキッキ』の内、本当に楽しいドタバタ喜劇がジャンニ・スキッキ。

「ああ!私の大事なお父さま」(原語はイタリア語 O mio babbino caro)
は、ジャンニ・スキッキの娘ラウレッタが、「恋人との結婚を許してくれなければ、ベッキオ橋からアルノ川へ身を投げるわ。」と舞台のフィレンツェの観光スポットを紹介するかのように歌う、ソプラノの名曲。
Babbino(お父ちゃんのイメージ) が、トスカーナ方言であることからも、舞台がどこか解る歌詞になっている。

小生が数年前、新国立劇場で観たときは確か砂川涼子さんが、素晴らしい声を聴かせてくれた。

2.オペラ『トスカ』より「テ・デウム」
バリトン:大西宇宙

こちらもプッチーニの名作オペラ。
舞台はローマのファルネーゼ宮殿(たしか、今はフランス大使館だったと思う)
聖歌隊が神を讃える賛美歌を歌うと、そこに悪魔のような、ローマ市の警視総監スカルピア男爵が悪巧みをつぶやく。

大西宇宙さんは、ドン・ジョバンニといい、スカルピアといい、身分の高い悪党?の役がよく似合っている。

3.オペラ『トゥーランドット』より「だれも寝てはならぬ」
バリトン:大西宇宙

こちらも、プッチーニ。舞台は中国の架空の王宮。
トリノオリンピックで、レジェンドテノール歌手、パバロッティが歌ったのが印象的。

この曲をバリトンで歌うのが、今回の放送のミソ。
残忍なトゥーランドット姫に対して、愛を誓う歌だが、バリトンが歌うと、腹に一物があるような印象となるのが興味深い。

4.オペラ『ドン・ジョヴァンニ』より「お手をどうぞ」
ソプラノ:高野百合絵(ツェルニーナ)
バリトン:大西宇宙(ドン・ジョバンニ)

昨年のKOBELCOホールの「ドン・ジョバンニ」では、高野百合絵さんは、ドンナ・アンナの役だった。
ドンナ・アンナは貴族、ツェルニーナは田舎娘でドンナ・アンナよりかなり年下。当然、声の出し方も違うはずだが、高野百合絵さんは、ちゃんとツェルニーナになっていた。

売れっ子の高野百合絵さんは、新年最初のエンター・ザ・ミュージックでも、通常メッゾ・ソプラノが歌う「カルメンのハバネラ」を楽楽と歌っていた。


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