ヨーロッパ文化教養講座(NHKクラシック音楽館 「N響首席指揮者ファビオ・ルイージ特集」を観て その3」
2023/10/13
NHK交響楽団の首席指揮者ファビオ・ルイージ・マエストロの特集も最終回。
当初、2022年~2025年の契約だったのが、2028年まで延長されたので、演奏だけでなく少しでも人柄に触れて欲しいというN響サイドの希望があったものだと思われる。
演奏者の素顔を少しでも知っていると、演奏会に行く楽しみが増えるので、良いことだと思う。
コメントと感想:
1.今回の内容は、
1)マエストロが現在一番の生き抜きとして真剣に取り組んでいるゴルフの話。
2)前回、準備やリハーサルを放送した「鐘の街」の本番をダイジェスト版で放送。
という構成。
2.「鐘の街」のダイジェストもさわりの部分だけで、非常に短いダイジェストだった。マエストロもプリマドンナも演奏には満足していたようだった。
全曲を放送しない理由を考えたが、一つの仮説として。
マルティナ・フランカの音楽祭は、殆ど演奏機会のない作品を取り上げることから、世界中のオペラファンが参加する、いわゆる「オペラ・オタク」のための音楽祭となっている。この希少価値を利用して、現地に行かないと観られないという付加価値を付けているのかなと思った。
ここで思い出したことがある。
小生が若いときに、米国フロリダ州の主要都市タンパに近いカレッジに語学留学をしていた。
タンパには、タンパベイ・バッカニヤーズというアメリカンフットボールのプロチームがあった。
6万人ほどの観客を収容できる立派なスタジアムがあったのだが、タンパの人口は当時20万人ほどしかいなかった。
そこで、スタジアムを満員にするため、全米に放送されるフットボールの公式戦を地元のタンパだけ放送しないという方法がとられた。(ただし、ラジオでは放送した)
地元のファンは、スタジアムへ行くしかないということで、行けない地元のファンの心情は無視し、ゲームの付加価値を最大限利用する、アメリカ的資本主義社会にビックリしたのを覚えている。
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