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ヨーロッパ文化教養講座(藤田真央のモーツァルト・ピアノ・ソナタ全集 鑑賞記-18第18番 K.576)

2023/05/23

モーツァルト最後のピアノ・ソナタ

ピアノ・ソナタ 第18番 ニ長調 K.576

第1楽章 アレグロ 6/8 ニ長調 ソナタ形式
第2楽章 アダージョ 3/4 イ長調 三部形式
第3楽章 アレグレット 2/4 ニ長調 ロンド形式

1789年7月ウィーン
モーツァルトがウィーンにおいてピアノ奏者としてもてはやされた時期は、1789年にはとうに終わりを告げていている。フリーメーソンの仲間であるブフベルクに宛てた手紙の殆ども金の無心であったが、そのうちの1通に彼はこう書いている。「今わたしはフリーデリケ王女のために6つのやさしいピアノ・ソナタと、国王のために6曲の四重奏曲を書いています。」 3曲の四重奏曲は完成したが、ソナタは結局ひとつしか出来ず、それも「やさしい」とはほど遠いものである。(エリック・スミスのライナーノート)

多くの研究者は、(K.576がフリーデリケ王女のために書かれたことには、)否定的に考えている。
実際に弾いてみると、モーツァルトの全18曲のソナタの中でももっとも技巧的に難しい作品として仕上がっていると思う。
モーツァルト晩年の作品についてはだいたい当てはまることだが、技巧的な面以上に芸術的な意味で難曲である。
モーツァルトのピアノ・ソナタの中でもっとも難解なメッセージを含んでおり、同時に弾き手にとっても最大の難曲だろう。(久元祐子の本)

演奏時間:
① 真央君 2021年(23才)
I 5:03 II 5:01 III 4:00
② 内田光子 1985年(37才)
I 5:06 II 5:17 III 4:17
③ 内田光子 1991年 サントリーホールライブ(43才)
I 4:57 II 5:12 III 3:57
④ アルフレッド・ブレンデル 2004年(73才)
I 5:15 II 5:19 III 4:33

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