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ヨーロッパ文化教養講座(「さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜(2)」鑑賞記)

2024/01/22
今回は、あと三ヶ月で解散させられる、晴見フィルで欠員となっている、フルートとチェロの奏者が決まり、指揮見習いの女子高校生が登場。
話のテンポも良くなり、どんどん面白くなる予感。

第二話で気がついた点:
1.今回は、ロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」序曲が全編に登場。

オーストリアに虐げられていたスイスの農民が立ち上がり、ウィリアム・テルというヒーローが登場するというこの歌劇の内容を、

権力者(市長や市議会)に潰されそうになっている晴見フィルが、夏目俊平(なつめ しゅんぺい)マエストロというヒーローを担いで権力に立ち向かうという構図と巧みに重ねている。

また、愛する息子の頭に乗せた「リンゴ」をウィリアム・テルが矢で打ち抜いたということと、夏目マエストロに反抗している、娘の夏目響(なつめ ひびき)(演 芦田愛菜)が、家事担当の父親に「リンゴ」のパイ、アップルシュトゥルーデルをリクエストしたことも上手くかけている。

2.欠員のフルートには、「ビゼーのカルメン」のような妖艶で危ない奏者、倉科瑠李(くらしな るり)((演 新木優子))が加入。

チェロには、「バッハの無伴奏チェロ組曲」のような、暗いが真面目な奏者、羽野蓮(はの れん)((演 佐藤緋美(さとうひみ))が加入する。
羽野蓮を勧誘に行った、夏目マエストロが、音楽監修の広上マエストロのように、鍵盤ハーモニカで羽野連と合奏するシーンがとても良かった。

前回の運命を聴いてオーケストラが大好きになった、女子高校生(谷崎天音(たにざき あまね)((演  當真あみ))が指揮者見習いとして、晴見オーケストラに参加する。
ど素人だが、天真爛漫な明るすぎるキャラを持つ、谷崎天音の天才的な音感を、夏目マエストロは見抜いて、参加させる。
夏目マエストロが谷崎天音に教えているシーンは、たぶん、東京音大で、広上マエストロが指揮課の学生に指導している内容なのだろう。

3.夏目響の5年前のある出来事によって崩壊したクラシック音楽及びそれを体現する父親に対する拒否感が、少しずつ、溶けていく兆しが見えてきて、第二回は終わった。

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