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ヨーロッパ文化教養講座(「DOCあすへのカルテ」シーズン2(13)「子離れ」 鑑賞記)

2023/12/12
原題は、「Così lontani, così vicini (このように遠くて、このように近い)」
意味はハッキリしないが、邦題の「子離れ」から鑑みると、「遠くて、近い」は、親子関係を表現しているのかも知れない。

今回のエピソード13は、本筋の「ロレンツォの死に関してアンドレアが隠蔽したために、起こってしまったこと、これから起こること」を提示しながら、いつものように、アンブロジャーノ総合病院のスタッフたちが、患者を救っていく姿を描かれた。

1.今回の患者は2人
a) 盲聾の少年。
外界とのコミュニケーションは、手のひら上に(仮想的に)つくられた、キーボードを触ること。
父親が息子のために依頼したアフリカ人娼婦と息子が接触したことを知った内科医長チェチーリアは、必死に感染が拡大しないように手を尽くす。
感染症を異常に恐れるその姿をアンドレアが見て、本人を問い詰めると、チェチーリアの母は、SARSの発症のときに対策チームにいて、感染拡大は防いだものの、本人はSARSに感染して亡くなったことを知った。

アンドレアは、少年が年齢の割に幼いこと、周囲の人と接触しない生活をおくってきたことから、通常幼児の時に感染する病気に感染したのではないかと疑い、そのヒントからチェチーリアは、病因を突き止める。

少年は、アフリカ人娼婦と性交渉ではなく、ハグしながら歌を聴くことを楽しみにしていた。そのことからアンドレアは、骨伝導イヤホンの有効性を発見し、少年は父親の声を感じ取ることに成功する。

チェチーリアは、このアンドレアの行動に感激して涙する。
チェチーリアのアンドレアに対する想いが深まり、アンドレアが医長に返り咲いていも、内科に残りたいと言う。

b) 看護師長テレーザの末娘。
テレーザ及び3人の娘と同居している、精神科医のエンリコが末娘を病院へ運び込む。ダミアーノは直ぐに、ホルムアルデヒドの匂いに気づき胃洗浄をした。この娘は失恋したばかりで自殺未遂が疑われた。

娘の異変に気づかなかったと、テレーザ、エンリコは苦しむ。テレーザの元夫(娘の実父)は、エンリコを責め立て、殴り合いの喧嘩になる。

テレーザは、頼りない元夫と一緒にいたときは、娘たちに良く気を配っていたが、エンリコと同棲を始めたことで安心し、娘に対する注意を怠ったと反省し、同棲の解消を言い出すのだった。

結局、この娘は、YOUTUBEで歯のホワイトニングには洗剤でうがいすれば簡単にできるという、いい加減な動画を信じてしまったことが原因だった。

2.「子離れ」
上記の患者2人の親子関係に加えて

1)ジュリアとその母
ダミアーノから関係修復を求められているジュリアの元に、突然アルコール依存症の母親が訪れ、再婚するので証人になって欲しいという。ジュリアは、16才のときに、依存症の母親の元を離れ、クリスマス以外は接触しないと決めていた。母親の相手もジュリアに依頼に来るが、ジュリアは頑なに断る。

2)カロリーナとアンドレア
カロリーナは、ロレンツォの死の真相を隠していることが重荷となって拒食症を再発する。カロリーナは、恋人のヴァレンティだけでなく、リッカルドにも話してしまう。
リッカルドから、そのことを非難されたアンドレアは、たとえ医長試験で落第しても、カロリーナのために自分のカルテ改ざんを明るみしたいとカロリーナに伝える。
カロリーナは、その気持ちに動かされ、このまま黙っていようとアンドレアへ言う。

3.4組のカップルの別れ
1)テレーザとエンリコ
同棲の解消をテレーザが言い出す。

2)アルバとリッカルド
アルバはリッカルドがいくら言っても、仕事依存症を認めようとしないことで絶望し、遂には別れを切り出す。

3)エリーザとガブリエル
ガブリエルはエチオピアへの出発の前の日に、エリーザに一緒にエチオピアへ行ってくれないかと伝え、エリーザの飛行機のチケットを用意していると言って、旅行代理店の名刺を手渡す。ガブリエルは当日まで連絡を待ったが、エリーザは迷った末名刺を破り捨ててしまう。

4)カロリーナとヴァレンティ
ヴァレンティがカロリーナの拒食症の話をアンドレアへ許可無く伝えてしまったことに失望し、しばらく、距離を置くこととなる。

4.アンドレア、チェチーリア、アニェーゼの3人の同級生
チェチーリアの気持ちがアンドレアへ向かっていることを、アンドレアはアニェーゼに伝える。(アニェーゼの気を引きたいのだろう)
アニェーゼは、現状どうしようもない。

5.今後の展開予想
・エピソード14,15は、今回のように本筋のロレンツォ事件を使いながら、周りの人々の恋愛関係の発展や解消が描かれるだろう。
エピソード16では、
・チェチーリアは、カルーソに説得されてロレンツォ事件の真相を調べることを承諾した。最終的には真相にたどりつくだろうが、アンドレアのカルテ改ざんよりも、カルーソ+医療機器メーカー癒着が圧倒的に悪質度が高いので、ロレンツォ事件はさほど大きな問題にならずに終わるのはないだろうか。
・テリーザとエンリコは結局同棲を続け、アルバとリッカルドはリッカルドが過労で倒れて復縁し、エリーザは最終的にはエチオピア行きの飛行に乗るのはないか。
・カロリーナは、ロレンツォ事件の解決によって、アンドレア+アニェーゼとの関係が修復され、ヴァレンティとは別れるのはないか。
・ダミアーノは、何かロレンツォ事件の解決の大きな助けになることをして、ジュリアはダミアーノとよりを戻すのはないか。

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