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ヨーロッパ文化教養講座(イタリア映画「ロング,ロングバケーション」鑑賞記)

2023/09/21
「歓びのトスカーナ」のパオロ・ビルツィ監督のイタリア映画
ということだったが、舞台は米国東部。
原語も英語で、実質はアメリカ映画。
良い映画だった。

ヘレン・ミレンとドナルド・サザーランドという2人の名優が共演し、人生の終着点を見据えた70代の夫婦が旅する姿を通し、過ぎ去った時間への慈愛や人生を謳歌する姿を力強く、ユーモラスに描いたヒューマンドラマ。

アルツハイマーが進行中の元教授のジョンと、末期がんに侵されている妻のエラ。夫婦生活は半世紀を迎え、子どもたちも巣立ったことで人生の責任も果たしきり、夫婦水入らずの自分たちだけの時間を過ごすことができるようになった。

ジョンが敬愛するヘミングウェイが暮らした家のあるキーウエストを目指し、愛車のキャンピングカーで旅に出た2人は、毎晩思い出のスライド写真でこれまでの人生を振り返りながら、ひたすら南を目指して進んでいく。

監督は「人間の値打ち」「歓びのトスカーナ」などで知られるイタリアの名匠パオロ・ビルツィ。
2017年製作/112分/PG12/イタリア
原題:The Leisure Seeker
配給:ギャガ

映画.com

コメントと感想:

1.冒頭いきなり老人夫婦がキャンピングカーで自宅から逃げ出す?シーンから始まり、ハラハラして見ていると、直ぐに映画の内容に引き込まれる。

自宅はマサチューセッツで、目的地は、ヘミングウェイが住んでいた、フロリダの離れ小島、キーウェスト。
その後はどうするかも何も決めずに、ひたすら南へ走るロードムービー。

2.認知症の夫が、大昔の浮気を白状したり、妻の結婚前の恋人を老人ホームへ探しにいったり、夫の昔の生徒とバッタリ会ったり、出来ごとはいろいろ起こるが、何とかキーウェストにたどり着く。

末期ガンの妻は、最後を最愛の夫とここで迎えたいと思っていたようだ。

3.広大なアメリカを背景にした、名優2人の演技だけで、感動する映画が作られた。
イタリアが舞台だと、また、違った味わいになったのだろう。

4.キーウェストには、40年近く前に2回行った。
島伝いに延々と続く橋の上をレンターカーで疾走したことを覚えている。
(ただし、運転の苦手な小生は、ナビゲーター役だったが。。。)

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