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ヨーロッパ文化教養講座(2023年2月27日 辻彩奈+尾高忠明マエルトロ コンサート鑑賞記)

2023/02/28
冬になるとメジャーなオーケストラが、(比較的?)暖かい九州にやってくる。昨日は、前々から生演奏を聴きたいと熱望していた、若手ヴァイオリニスト辻彩奈が登場するというので新幹線で、熊本まで聴きに行った。
発売とほぼ同時に切符をゲットしたので、ほぼ真ん中の前から4列目という絶好の位置で聴くことができた。

日時: 2023年2月27日(月)開場18時15分 開演19時
会場:    熊本県立劇場

指揮:尾高忠明
ヴァイオリン:辻彩奈
管弦楽:NHK交響楽団

プログラム:
1.メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」作品26
2.ブルッフ:バイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26
3.ソリストアンコール
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 ホ長調BWV1006
第3楽章「ガヴォット」

休憩20分
4.ベートーベン/交響曲第7番 イ長調 作品92
5.オーケストラアンコール
モーツァルト:ディヴェルティメント 変ロ長調 K.137第2楽章

コメントと感想
① 熊本県立劇場(地元の人は「ケンゲキ」というらしい)は始めて行った。入り口を入ると雰囲気が東京文化会館に似ている。(同じ人が設計したらしい)ということは、音響も期待できる。

② 席が4列目ということもあったと思うが、1.フィンガルの洞窟から、オケの迫力のある音が鳴り響く。本当に音の良いコンサートホールだと思った。

③ いよいよ、マリンブルー一色のノースリーブドレス姿で辻彩奈が登場。
曲の出だしのオケのピアニッシモな前奏が始まると、ふてぶてしく感じられるほどの仁王立ちで、斜め上前方を見据えるようないつもの姿で集中している。身長は低い方だが、その姿だけでも存在感が凄い。

④ 曲が始まると、表情はさらに厳しく、しかしヴァイオリンを裁く姿は、曲の流れに合わせ、あるときはダイナミックに、あるときはやさしく、弓を当てる位置も正確で音に乱れがない。

⑤ 3楽章まで楽章間のポーズもなく弾き続け、感動のフィナーレまで、微動だにできなかった。ヴァイオリン協奏曲でこんな経験はしたことがない。本当に感動した!!!

⑥ アンコールはバッハの「ガボット」。協奏曲を終えたせいか、リラックスしていた。ソロのヴァイオリンで、このホールの響きの豊かさがわかった。サントリーホールより、残響時間そのものは、ほんの少し短く快適に感じた。

⑦ 後半のベト7は、10日前に、日本フィル+広上淳一マエルトロで聴いたばかりだった。
昨日のN響は、オーケストラが近かったので、直接音が体に響き、ロック音楽のような乗りの良いベト7には、最適な環境だった。
N響メンバーもだいぶ若い人が入ってきているようで、生き生きとした音だった。
尾高忠明マエルトロは、今年76才だそうだが、若々しい。ただ、若々しすぎて、3、4楽章は、テンポがちょっと速すぎ、オーケストラが必死についているように感じた。
この点は、10才以上若い、広上淳一マエルトロのほうが、ゆったりと音を作っているように感じた。

⑧ オーケストラアンコールの前に、尾高忠明マエルトロから、ちょっと話があった。
1)指揮者のデビュー戦は、52年前の熊本交響楽団の指揮を熊本でしたこと。
2)N響との初共演のときは、スタジオ録音で、その時の曲が、「フィンガルの洞窟」だったこと。

⑨ 本日から、辻彩奈を「好きな現役音楽家」に追加した。

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