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ヨーロッパ文化教養講座(「DOCあすへのカルテ」シーズン2(15)「ウソと汚名 」 鑑賞記)

2023/12/26
原題は、「stigma(偏見)」。 陸軍士官学校の学生患者が、ハンセン病だったことから付けられたとは思うが、他にも意味があるのかも知れない。

いよいよ、シーズン2も大詰め。ロレンツォ事件でアンドレアは窮地に立たされる。
*注:ロレンツォ事件
コロナで入院中のロレンツォが、自分につけていた酸素マスクを同室の年配女性患者に付け替えるように、病室に居た唯一の医師カロリーナに頼んだ。カロリーナはロレンツォの言うとおり、酸素マスクを同室女性に付け替えた。カロリーナが、新しい酸素ボンベを取りにいっている間に、ロレンツォは急死した。アンドレアは、カロリーナをかばうために、カロリーナがこの場に居なかったことにして、報告した。

1.今回の患者は2人
a) 陸軍士官学校へ入学し訓練中の若い男性がアンブロジャーノ総合病院へ救急搬送。原因を梅毒と考えたアンドレアたちだったが、男性は性交渉を否認する。両親が居ないときに、アンドレアが男性を問い詰めると、牧師である父親に婚前交渉の事実を知られたくないため嘘をついたことがわかる。
検査の結果梅毒ではなかった。今度は、母親を問い詰めると、母親は、息子を産んだ直後から、20年近くブラジル人と不倫していることを話す。
最後には、この息子が10年近く前に家族でブラジルに滞在していたときに、ハンセン病に感染したことが判明する。
息子の病気をきっかけに、対面ばかり気にしていたことを父親は息子に謝り、2人の関係は良くなった。しかし、母親と父親の仲は修復されないだろう。
*イタリアでも、ハンセン病患者に対する偏見(Stigma)が大きかったらしく、Lebbra(ライ病)という言葉を malattia di Hansen(ハンセン病)に訂正させるシーンがあった。

b) 庭師の年配男性。原因不明の疾患だが、同室の男性患者が急死し、KPC感染であることがわかり、病室を隔離する。
感染症の専門家である、チェチーリアは、ここぞ自分の仕事だというばかりに、次々と内科医局へ指示を出す。
しかし、リッカルドが感染してしまい、意識不明となっているところを、アルバが発見する。

2.ロレンツォ事件の展開
・チェチーリアがアンドレアがカルテの改ざんしたことを、カルーソへ報告したため、当日の理事会のあと、内科医長へ復帰する予定だったアンドレアは、謹慎処分となってしまう。

アンドレアは、あくまでも自分の身を守るために改ざんしたと主張したため、Canebluチーム皆から非難される。特に、ロレンツォとの子どもを失ったジュリアは、アンドレアを許せない。リッカルドはカロリーナから聞いて真相を知っていたが、嘘を言って医局を混乱させたという理由でアンドレアを非難する。

・一方、アニェーゼは、カルーソの秘書から、アンドレアが医長試験で一日医長をした当日、病院のシステムがシャットダウンした時、カルーソが持ち出し禁止のPCを自宅へ持ち帰ったという話を聴く。
カルーソがシステムダウンに関わっていると疑ったアニェーゼは、システム部長へ話を聴きに行き、確信を得る。
そのことと、アンドレアがカロリーナをかばうために、カルテの改ざんをしたことを、チェチーリアに伝えると、とうとう、チェチーリアは、アンドレアの味方をすることをアニェーゼに告げるのであった。

3.その他の伏線回収
・看護師長テレーザと精神科医長エンリコの同棲はそのまま続いているようだ。

・エリーザは、エチオピアに旅発ったガブリエルと連絡を取り合っている。
ガブリエルの頼みで、エリーザは神父マッシモに連絡し、マッシモを許すことになった。
ガブリエルは短期出張でアンブロジャーノ総合病院へ突然現れ、エリーザと抱き合う。

4.最終回の展開予想
・いわゆる「DOC恋愛関係」の伏線はカロリーナとヴァレンティを除いて、ほぼ回収されたので、エピソード16は、

1)リッカルドが感染したKPCをチェチーリアとアルバを中心とした内科チームが力を合わせて解決するだろう。

2)カルーソは、チェチーリアとアニェーゼが協力して悪事を露見させ、黒幕も退場するだろう。

3)ジュリアは、アンドレアを許すことになり、ジェノヴァ行きを取りやめるだろう。

4) エリーザと復縁したリッカルドは、一度はエチオピアに帰国し、シーズン3でさらなる展開があるだろう。

5) 久しく登場していない、シーズン2から登場した、外科医長ヴァレンティと心理士ルチーアが登場してシーズン3に彼らがどうするかが描かれるだろう。

6) アニェーゼの家族、ダヴィデとマヌエルも登場する時間があるだろうか? 
チェチーリアがシーズン3も登場するならば、チェチーリア、アニェーゼ、アンドレアの3角関係が見物である。



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