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ヨーロッパ文化教養講座(2022年日本映画「そばかす」)

2023/08/10
個人的採点は、★★★
(★★★は、再び観たいとは思わないが、退屈せず、観ていた時間は楽しめた作品)
Filmarks: 3.8 (14,058レビュー)

日本映画だが主演を三浦透子が演じ、また、最近話題のLGBT関係の映画だったので興味深く観た。

他人に恋愛感情を抱かない女性が周囲と向き合いながら自分自身を見つめる姿を描いたドラマ。

30歳の蘇畑佳純は物心ついた頃から恋愛がよくわからず、いつまで経っても恋愛感情が湧かない自分に不安を覚えながらもマイペースに生きてきた。
大学では音楽を志すも挫折し、現在は地元のコールセンターで苦情対応に追われる日々を送っている。
妹が結婚・妊娠したこともあって母からは頻繁にプレッシャーをかけられており、ついには無断でお見合いまでセッティングされてしまう。
そこで彼女が出会ったのは、結婚よりも友だち付き合いを望む男性だった。

「ドライブ・マイ・カー」の三浦透子が主演を務め、中学時代の同級生を前田敦子、同僚を北村匠海、妹を伊藤万理華が演じる。
「his」のアサダアツシが企画・脚本を手がけ、劇団「玉田企画」主宰の玉田真也が監督を務めた。
2022年製作/104分/G/日本
配給:ラビットハウス

映画.COM

コメントと感想:

1.主人公 蘇畑佳純(演 三浦透子)は、LGBTQIA+の定義で言えば、Aのアロマンティック・アセクシュアル(他者に恋愛的にも性的にも惹かれない人)の分類に当てはまる人として描かれている。
未観だが、NHKドラマの「恋せぬふたり」岸井ゆきの、高橋一生主演も同じ主題だったようだ。

2.「恋せぬふたり」は、ふたりとも、アロマンティック・アセクシュアルだったようなので、お互いの理解はあったと思うが、
「そばかす」における主人公は、その感情を一人で抱え込んでいる。

同類だと思って友達になったはずの、男性(演 伊島空)からは告白されて引いてしまう。
理解してくれたのは、ゲイの同級生(演 前原滉)と典型的な家父長制支持者(に描かれている)父親に反抗してAV女優となった同級生(演 前田敦子)くらいだった。

3.主人公の役はとても難しい役だと思うが、さすがに、三浦透子、感情表現の揺れを素晴らしく表現していたと思う。
最近LGBTQの映画やドラマは多いので、この傾向が続けば、若い人たちの理解がすすみ、次の時代には、現実の世界でも、LGBTQIA+に対する偏見や差別が無くなっていくのではないかと希望している。



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