ヨーロッパ文化教養講座(アメリカ映画 「フェイブルマンズ」鑑賞記)
2023/10/1
スティーブン・スピルバーグ監督が自らを描いた前半生記映画。
名画だと思う。
コメントと感想:
1.スピルバーグ一家を、フェイブルマン一家=The Fablemans として描いた、スティーブン・スピルバーグの半生記。
2.映画の冒頭で、クリスマスイブに両親に連れられて初めて映画を観た、サミー・フェイブルマン(=スティーブン・スピルバーグ)少年は、映画に夢中になる。
映画を見終わって、帰宅した家には、華やかなクリスマスの飾りは一切無く、父親が、「私たちは、ユダヤ人だから」というセリフで、スティーブンの出自がわかる。
また、転校した高校でいじめにあうが、反ユダヤのいじめっ子達は、「Fableman」という苗字で直ぐにユダヤ系だとわかったということは、Fableman は、ユダヤ人に多い苗字?
多分、man mann で終わる苗字がユダヤ人に多いからだろう。
->スティーブン・スピルバーグがわかりやすいように、この苗字を使ったと思われる。
高校で、彼女ができるが、きっかけは、この彼女が、イエス・キリストのファンだったから。 単に、キリスト教徒ということだけでなく、イエス・キリストがユダヤ人だったということで、スティーブン・スピルバーグに興味を持ったから?
などなど、スティーブン・スピルバーグがユダヤ人である、自分の出自を感じる機会が、彼がいた、時代や世界には多かったのだろうと思った。
3.母親と自分は、芸術家肌、父親は善人だが普通のエリート・エンジニアということを強調し、母親と父親が愛し合ってはいたが、添い遂げられなかった理由としているように見える。
第三者から観ると、単に母親が不倫をしたとしか見えないが、こどもは、いつまでも母親を正当化したいのかなと思った。
音楽も巨匠、ジョン・ウィリアムが担当。
コンサートなどではあまり演奏されない、ベートーヴェンのピアノソナタ1番や、クレメンティ、ハイドンのピアノ曲をピアニストの母親に弾かせているところが渋い。
4.最後のジョン・フォードと面会するシーンは、しびれるシーンだった。
とにかく、あれだけ、こどものときから映画に没頭できることが、スティーブン・スピルバーグが名監督になるべくして生まれた、「選民」だったということがわかった。
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