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ヨーロッパ文化教養講座(アメリカ映画 「フェイブルマンズ」鑑賞記)

2023/10/1
スティーブン・スピルバーグ監督が自らを描いた前半生記映画。
名画だと思う。

「ジョーズ」「E.T.」「ジュラシック・パーク」など、世界中で愛される映画の数々を世に送り出してきた巨匠スティーブン・スピルバーグが、映画監督になるという夢をかなえた自身の原体験を映画にした自伝的作品。

初めて映画館を訪れて以来、映画に夢中になった少年サミー・フェイブルマンは、母親から8ミリカメラをプレゼントされる。家族や仲間たちと過ごす日々のなか、人生の一瞬一瞬を探求し、夢を追い求めていくサミー。母親はそんな彼の夢を支えてくれるが、父親はその夢を単なる趣味としか見なさない。サミーはそんな両親の間で葛藤しながら、さまざまな人々との出会いを通じて成長していく。

サミー役は新鋭ガブリエル・ラベルが務め、母親は「マンチェスター・バイ・ザ・シー」「マリリン 7日間の恋」などでアカデミー賞に4度ノミネートされているミシェル・ウィリアムズ、父親は「THE BATMAN ザ・バットマン」「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」のポール・ダノが演じるなど実力派俳優が共演。脚本はスピルバーグ自身と、「ミュンヘン」「リンカーン」「ウエスト・サイド・ストーリー」などスピルバーグ作品で知られるトニー・クシュナー。そのほか撮影のヤヌス・カミンスキー、音楽のジョン・ウィリアムズら、スピルバーグ作品の常連スタッフが集結した。第95回アカデミー賞で作品、監督、脚本、主演女優(ミシェル・ウィリアムズ)、助演男優(ジャド・ハーシュ)ほか計7部門にノミネートされた。

2022年製作/151分/PG12/アメリカ
原題:The Fabelmans
配給:東宝東和
劇場公開日:2023年3月3日

映画.com

コメントと感想:
1.スピルバーグ一家を、フェイブルマン一家=The Fablemans として描いた、スティーブン・スピルバーグの半生記。

2.映画の冒頭で、クリスマスイブに両親に連れられて初めて映画を観た、サミー・フェイブルマン(=スティーブン・スピルバーグ)少年は、映画に夢中になる。
映画を見終わって、帰宅した家には、華やかなクリスマスの飾りは一切無く、父親が、「私たちは、ユダヤ人だから」というセリフで、スティーブンの出自がわかる。

また、転校した高校でいじめにあうが、反ユダヤのいじめっ子達は、「Fableman」という苗字で直ぐにユダヤ系だとわかったということは、Fableman は、ユダヤ人に多い苗字?
多分、man mann で終わる苗字がユダヤ人に多いからだろう。
->スティーブン・スピルバーグがわかりやすいように、この苗字を使ったと思われる。

高校で、彼女ができるが、きっかけは、この彼女が、イエス・キリストのファンだったから。 単に、キリスト教徒ということだけでなく、イエス・キリストがユダヤ人だったということで、スティーブン・スピルバーグに興味を持ったから?

などなど、スティーブン・スピルバーグがユダヤ人である、自分の出自を感じる機会が、彼がいた、時代や世界には多かったのだろうと思った。

3.母親と自分は、芸術家肌、父親は善人だが普通のエリート・エンジニアということを強調し、母親と父親が愛し合ってはいたが、添い遂げられなかった理由としているように見える。
第三者から観ると、単に母親が不倫をしたとしか見えないが、こどもは、いつまでも母親を正当化したいのかなと思った。

音楽も巨匠、ジョン・ウィリアムが担当。
コンサートなどではあまり演奏されない、ベートーヴェンのピアノソナタ1番や、クレメンティ、ハイドンのピアノ曲をピアニストの母親に弾かせているところが渋い。

4.最後のジョン・フォードと面会するシーンは、しびれるシーンだった。

とにかく、あれだけ、こどものときから映画に没頭できることが、スティーブン・スピルバーグが名監督になるべくして生まれた、「選民」だったということがわかった。

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