見出し画像

ヨーロッパ文化教養講座(2022年イラン映画「熊は、いない」)

2024/10/01
個人的採点は、★★★
(★★★は、再び観たいとは思わないが、退屈せず、観ていた時間は楽しめた作品)
映画の「異文化を知る」という効能を最大に感じた映画。
フィクションである映画を手段として、思想・表現の自由を封じられたイランの現状を監督が糾弾したかったのだろうと思った。
見た目は温和な感じの監督だが、権力に弾圧されても反抗する強い人なのだなと思う。
映画の中で、主演(である監督)がトルコへ密入国する寸前で思いとどまるシーンがある。監督の愛国心と自由を求める葛藤を表現しているのかなと思った。

政府から映画制作を禁じられながらも不屈の精神で映画を撮り続けるイランの名匠ジャファル・パナヒが監督・脚本・製作・主演を務め、自らを題材にして撮りあげた社会派サスペンス。

パナヒ監督はトルコで偽造パスポートを使って国外逃亡しようとしている若い男女を主人公にしたドキュメンタリードラマ映画を撮影するため、イランの国境近くの小さな村からリモートで助監督レザに指示を出す。そんな中、滞在先の村では古い掟のせいで愛し合うことが許されない恋人たちをめぐるトラブルが大事件へと発展し、パナヒ監督も巻き込まれていく。

2組のカップルが迎える想像を絶する運命を通し、イランに残る抑圧的な社会問題の現状を浮き彫りにする。2022年・第79回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で審査委員特別賞を受賞。

2022年製作/107分/イラン
原題または英題:Khers nist
配給:アンプラグド
劇場公開日:2023年9月15日

映画.com

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?