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ヨーロッパ文化教養講座(フランス映画「メグレと若い女の死」鑑賞記)

2023/11/08

フランスの名匠パトリス・ルコントが8年ぶりに長編映画のメガホンをとり、代表作「仕立て屋の恋」の原作者ジョルジュ・シムノンのミステリー小説を映画化。

1953年。パリ・モンマルトルのバンティミーユ広場で、シルクのイブニングドレスを着た若い女性の遺体が発見される。真っ赤な血で染まったドレスには5カ所の刺し傷があった。捜査に乗り出したメグレ警視は、その遺体を見て複雑な事件になると直感する。遺体の周囲に被害者を特定できるものはなく、手がかりとなるのは若い女性には不釣り合いなほど高級なドレスのみ。被害者の素性とその生涯を探るうちに、メグレ警視は異常なほどこの事件にのめり込んでいく。

名優ジェラール・ドパルデューがメグレ警視を演じ、「タイピスト!」のメラニー・ベルニエ、「パリ、テキサス」のオーロール・クレマン、「ともしび」のアンドレ・ウィルムが共演。

2022年製作/89分/G/フランス
原題:Maigret
配給:アンプラグド
劇場公開日:2023年3月17日

映画.com

コメントと感想:
1.メグレ警視ものは、(何故なのかは不明だが)原作も読んでおらず、映像も観たことがなかった。今回何気なく録画して観たが、単なる謎解きではない面白さがあった。

1)とにかく、メグレ警視を演じた、ジェラール・ドパルデューが渋くて素晴らしかった。
WIKIを観ると出演作も多く名優であることがわかった。口数が少なく、事件関係者を尋問するというより、話を聞き出すというキャラクターを演じていた。

2)映画では詳細は明かされないが、メグレ警視と妻には娘がいたが、20才前に亡くなったことが暗示される。

その描かれなかった娘と同じ年頃の、被害者(演:クララ・アントゥーン)及び、捜査協力者ベティ(演:ジャド・ラベスト)が同じようなドレスを来て、容疑者の婚約会場と結婚式場に現れるのが印象的だった。

3)メグレ警視は、パリのカフェ?で、食事しているベティの姿をみて、何か閃いたのか、彼女の後をつけて、彼女が万引きをするところを捕まえて、彼女を被害者の住んでいたアパートに住まわせる。
結果として、このことが、ベティをおとり捜査に使うことになるのだが、はたして、これが偶然なのか、メグレ警視の慧眼なのかはわからない。

4)被害者もベティもとても美しい娘だが、都会に出てきて食うものにも困る生活を送っている。貧困層と富裕層の描き分けが見所の一つだった。

5)映像も本当にこの時代(1953年)に撮ったような、薄暗い感じのパリの街を描いていた。

2.フランス映画を観ると、「エロチック」だなと思うことが多い。
フランス語の力なのか、俳優(特に女優)の力なのかはわからない。

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