見出し画像

ヨーロッパ文化教養講座(世界ふれあい街歩き 中世薫る世界遺産の街「シエナ」)

2023/04/26
「世界ふれあい街歩き 中世薫る世界遺産の街」の後半は、フィレンツェから日帰り圏内のシエナだった。
*最近の収録の世界ふれあい街歩きは、4K収録を売りにしているらしく、4Kのボタンがオープニングに出ている。

シエナは、最初にイタリアに行った1995年の団体旅行で、数時間滞在した記憶がある。当地ご自慢の「世界で一番美しいカンポ広場」の景色は良く覚えている。

鉄道のシエナ駅に最近エスカレーターが出来て、鉄道を利用する観光客が増えたらしく、収録もフィレンツェからシエナ駅に鉄道で移動してという設定だった。

シエナと言えば、中世の街並みに加え、ドゥオーモ(世界最大を目指して建築を始めたが、途中で戦争に負けて資金が足りなくなり、中途半端になった)、カンポ広場(丘の上にあることをいかして貝殻のような形となった)と、パリオ(地区対抗競馬祭り)くらいしか知らないが、この放送で興味深かったのは、パリオを戦う地区(コントラーダというらしい)の話だった。

旧市街には、17のコントラーダ(日本で言うと町内会)があって、数百年の歴史があり、生まれた場所で、どのコントラーダに属するか決まるそうだ。

では、「引越したらどうなるか?」だが、引っ越しても所属コントラーダは変わらないので、Aコントラーダで生まれた人が、Bコントラーダに引っ越してくると、自分だけ、Aコントラーダ所属で、隣近所は皆Bコントラーダ所属ということが起こりうる。

パリオに勝利したコントラーダは、自分のベランダにコントラーダ旗を掲げるそうだが、上記の例の場合は、Bコントラーダ地区では、Aコントラーダ所属の人のベランダにだけ、Aコントラーダの旗が掲揚されることになるそうだ。

各コントラーダでは、パリオのために、集まって応援の練習をしたり、定期的に食事会をして団結を強めているそうだ。

数百年の歴史があるコントラーダだが、イタリアも日本と同じく少子高齢化が進んでいるので、特にシエナのような地方都市では、日本で深刻な問題になっている、「地域の崩壊」は起こらないのだろうか?

番組のラストで放映されたパリオの食事会の参加者があまりにも、少なく閑散としていたので、ふとそんな思いにとらわれた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?