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ヨーロッパ文化教養講座(「DOCあすへのカルテ」シーズン2(8)「青い犬」 鑑賞記)

2023/11/07
今までで1番観るのが辛いエピソードだった。

舞台は、コロナとの戦いの真っ最中、2020年3月のアンブロジャーノ総合病院。感染症医、チェチーリア・テデスキが連日TVに出演している。
*イタリアではコンテ首相の政権下、2020年3月9日からロックダウンが開始された。

1.患者は多数。コロナ感染から回復した人、そのまま亡くなった人が描かれた。
アンドレアは、亡くなった人々の生年月日と死亡日を透明な壁に記録している。

亡くなった患者。
・ロレンツォ:アンブロジャーノ総合病院内の第0号患者。一時は気管挿管するほど重症化したが、回復し始めて病室を移る。ところが、同室の年配のご婦人の酸素ボンベが切れて苦しみ始めたため、カロリーナに頼んで自分のボンベをご婦人へ譲る。
カロリーナが新しいボンベを持ってくる間に、心室細動のため急死する。
ロレンツォが回復の兆しを見えた頃、2人の間のこどもを流産したジュリアが隔離から戻ってきたが、ロレンツォの死に直面しジュリアは絶望の淵に落とされる。
カロリーナをかばうため、アンドレアは、ロレンツォの死について、虚偽の報告をせざるを得なくなった。

・ガブリエルの元婚約者。エチオピアからイタリアに来ていた、元婚約者と病棟で再会。元婚約者は、ガブリエルが婚約を破棄してくれたおかげで、自由になれたとは言ったが、亡くなってしまう。
ガブリエルのPTSDの原因が、彼女の死であったことが明らかになる。

助かった患者:
・男性の患者。ビデオフォン越しに、小さい息子が「青い犬 Caneblu」のぬいぐるみを見せて父親を励ます。リッカルドは、この男性の自宅まで行って、この「青い犬」を取ってきて、父親に渡す。
この「青い犬」が、寝る暇もなく患者に対応するアンドレア達アンブロジャーノ総合病院の医療スタッフに力を与えた。

・ロレンツォがボンベを渡した年配の女性。ロレンツォの遺体が部屋から運び出されるときに、ジュリアに、ロレンツォが彼女をいかに愛していたかということを語る。

2.「Caneblu (青い犬)」チーム各人の2020年3月時点の現状
1)アンドレア
カロリーナがロレンツォの死の場に居たことを無かったことにする。
2)アニェーゼ
院長として足りない医療機材の確保だけでなく、患者の治療にも奮闘する。一方、ダビデと養子マニュエルに会えないことを悲しむ。
3)ジュリア
コロナ感染から復帰して、内科を取り仕切るが、ロレンツォの死に絶望する。
4)カロリーナ
ロレンツォの死について、自分を責める。弟マッティアのこともあり、彼女の心の中は、罪悪感で満ちているのであろう。
5)アルバとリッカルド
アルバは、母親の死を看取った後、隔離状態で病院へは来られない。
6)エリーザとガブリエル
エリーザがマッシモと知り合ったきっかけが、リモート診断であったことがわかった。神父であるマッシモも大勢の教会員のコロナ死に直面したことがわかる。
ガブリエルは、元婚約者を救えず、それが、パニック障害の入口であったことがわかる。さらに、無症状ではあるが、感染して隔離し精神的ショックは更に大きくなった。
7)エンリコとテレーゼ
テレーゼの3女が自閉症であり、その子をエンリコが治療していくうちに、2人が愛し合うようになったことがわかる。
8)エドアルド・ヴァレンティ
登場せず。

3.Caneblu チーム以外の人たち
9)チェチーリア
TV出演のシーンが映った。
10)ダミアーノ
回想シーンから、現在へ戻ったときは、ジュリアの家へ居た。
ジュリアが隠した、ロレンツォのカルテに挟んであった、エリーザのメモを発見する。
そのメモを早速、スマホで撮影した。
*ダミアーノスパイ説の復活?
11)ルチア・フェラーリ
この時点では登場せず。
12)カルーソ
アンドレアがコロナ死の患者の解剖を申請したのに同意せず、この時点から既にアンドレアへの敵対心がありそうだ。

4.今後の展開予想
何と言っても、ダミアーノが盗撮したロレンツォの死のカルテを、ダミアーノがどうするかが、見所。
サスペンスドラマなら、「ダミアーノは実はラスボスだった」という展開も考えられるが、さすがにそこまではしないだろうと思う。

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