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ヨーロッパ文化教養講座(1990年フィンランド映画「マッチ工場の少女」アキ・カウリスマキ監督)

2024/09/15
「マッチ売りの少女」は、マッチの燃えかすを抱いて幸せそうに天国へ行ったが、「マッチ工場の少女」は、1夜の幸せを与えてくれたクズ男や自分を搾取するだけの母親とその男に復讐する。
マキ・カウリスマキ監督は、本作を通じて何を訴えたかったのだろう。
極端に少ないセリフ、痛々しいシーンは画角の外に出すこと、劇中の歌の歌詞で主人公の気持ちを伝えようとするなど、監督の様式は守られているが、ストーリーは、珍しく、救いのない話になっていて、70分の短い映画だが、多くの視聴者の心に残る作品だろう。

フィンランドの田舎町。マッチ工場で働いて稼いだ僅かな金で母と義父を養う少女イリス。ある日彼女は、もらったばかりの給料で自分のドレスを買ってしまう。 怒った義父は彼女を殴り、母はドレスの返品を命じる。とうとう我慢できなくなった彼女は、家を飛び出してディスコへ向かい、そこで出会った男性と一夜をともにする。しかし彼女は彼にも裏切られ……。

監督は「レニングラード・カウボーイズ」シリーズのアキ・カウリスマキ。

1990年製作/70分/フィンランド
原題または英題:Tulitikkutehtaan tytto
配給:アルシネテラン
劇場公開日:1991年

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