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ヨーロッパ文化教養講座(2024年1月15日 亀井聖矢リサイタル@川商ホール 鑑賞記)

2024/01/15
小生のアシスタント女性(若いイケメン男性好き=極めて標準的?)と一緒に、亀井聖矢君のリサイタルへ行った。
22才の亀井君の熱い演奏に、会場もたいへん盛り上がった。

日時:2024年1月15日 開場:18時 開演:19時
会場:川商ホール(鹿児島市民文化ホール)
ピアノ:亀井聖矢(マサヤ)
第88回日本音楽コンクール第1位
2022年ロン=ティボー国際音楽コンクール第1位

プログラム:

1)ショパン:ワルツop.34
① 第1曲 変イ長調op.34-1
② 第2曲 イ短調op.34-2
③ 第3曲 へ長調op.34-3
2)ショパン:舟歌op.60
3)リスト:巡礼の年第2年「イタリア」よりダンテを読んでーソナタ風幻想曲
ー休憩ー
4)ショパン:「お手をどうぞ」の主題による変奏曲による変奏曲 変ロ長調op.2
5)ベッリーニ=リスト:「ノルマ」の回想
ーアンコールー
6)パガニーニ=リスト:「ラ・カンパネッラ」
7)ショパン: ポロネーズ第6番変イ長調『英雄』

コメントと感想:
1.川商ホール第1ホールは、収容人数が1990人の大ホール。
1階席は後ろの両側の席約300席を前売りしなかったようで、空いていたが
それでも、鹿児島のピアノリサイクルで1500人位の観客が集まるのは、
いかに、亀井聖矢君が注目されているかがわかる。

2.1)の3曲が終わって、亀井君が袖に引いた後で、場内が明るくなる。
すると、亀井君がマイクを持って登場し挨拶。
「1)は、3曲で1つの作品ですが、①の後に拍手をもらって嬉しかったです。拍手はいつも励みになります。」とフライング拍手を非難することもなく、逆に会場を和ませた。

「鹿児島には初上陸しました。鹿児島というと黒豚ですね。今日の演奏のあと、豚を食べるのが楽しみです。」と話し笑いを誘ったあと、2)3)の曲の紹介をした。
2)の舟歌は優しくゆったりと、
3)の巡礼の年第2年は、重々しく強烈に演奏した。

3.休憩のあとも、いきなり引き始めるのではなく、マイクを持って、
4)も5)もオペラの編曲だと紹介して弾き始める。

4)は、2021年のショパンコンクールで優勝したブルース・リウが弾いて絶賛された曲。「お手をどうぞ」は、ドン・ジョバンニが結婚式を挙げる寸前の村娘ツェルリーナを口説く歌で原曲は数分だが、この曲をショパンが20分近い変奏曲に仕上げたのは、ショパンがこのオペラが好きだったのかなと思った。

5)は、ベッリーニの代表オペラ「ノルマ」の編曲。気になって調べると、リストが、1811年10月22日 ~1886年7月31日。ベッリーニが、1801年11月3日 ~1835年9月23日。ノルマがミラノで初演されたのが1831年とのことなので、リストの青年期には、社交界では「ノルマ」のアリアは誰も知らない人がいないくらいの有名なメロディーだったのだろう。

亀井君の演奏は、4)の中盤くらいから熱が入ってきて、会場も一体となった。5)が終わると、亀井君の追っかけとみられる最前列の数人の女性が直ぐに立ち上がりスタンディングオヴェーション。会場全体も拍手喝采。

4.亀井君は再度、マイクを取り、「最後に1曲だけ」と言いながら、
6)カンパネラを丁寧にでも完璧に弾いた。拍手は完全にフライングの嵐。

カーテンコールに2度答えて、更に、7)英雄ポロネーズ。弾き終わると再度カーテンコール2回。力尽きたようにお辞儀をして、場内が明るくなり、退場。余韻を残しながら、コンサートは終了した。
美味しい豚肉は食べられたのだろうか?

5.全体的な印象として、テクニック的には文句のつけようがない。
ただ、リストのときは、音が後方席で聴いていた小生のところまで迫ってくるのに対し、ショパンのときは、音が遠い感じがした。

ピアノや会場が原因なのか、亀井君がこのように弾いているのかは、不明。
もしかしたら、ショパンのときは、タメを求めすぎて、慎重に弾きすぎているのかも知れないと思った。

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