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ヨーロッパ文化教養講座(2023年9月25日 庄司紗矢香「フランスの風」コンサート 鑑賞記)

2023/09/28
庄司紗矢香+ベンジャミン・グローヴナ+モディリアーニ弦楽四重奏団のコンサートをサントリーホールの最善列右手で鑑賞した。

日時:2023年9月25日(月) 開場:18時20分 開演:19時
会場:サントリーホール
演奏者:
庄司紗矢香(ヴァイオリン)
ベンジャミン・グローヴナ(ピアノ)
モディリアーニ弦楽四重奏団
大竹直(朗読)

プログラム:
① 武満徹: 妖精の距離
② ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調
③ ラベル:弦楽四重奏曲 ヘ長調
休憩
④ ショーソン:ヴァイオリン、ピアノと弦楽四重奏のための協奏曲 ニ長調 Op.21

コメントと感想:

1.開演時間になり、会場の明かりが消えると、舞台右手から口元にマイクを付けた、朗読の大竹直氏(俳優:青年団所属)が登場。武満徹が、①の作曲にあたって着想を得た瀧口修造の詩「妖精の距離」を朗読した。
若干緊張していたのか、詩を書いた紙を持つ手が震えていた。

2.朗読中に舞台左手の扉が開き、庄司紗矢香さんとベンジャミン・グローヴナ氏(イギリス人とのこと。)が静かに登場。朗読が終わると、明かりが付いて、①の演奏が、厳かに始まる。短い曲だが、すすり泣くような繊細な庄司紗矢香サウンドが流れる。
解説書によると、この曲は、1951年に作曲され、初演は、諏訪内晶子さん+伊藤昭子さんだそうだ。

3.①が終わると、そのまま、②のソナタが始まる。
この曲は、NHKのクラシック倶楽部でも聴いたことがある。
3楽章のスタンダードな構成の曲だが、出だしからドビュッシー独特の音が流れる。解説書によると、この曲はドビュッシーの最後の作品で病気と格闘しながら書いたそうだ。

4.②が終わると、庄司紗矢香さんとベンジャミン・グローヴナ氏が退場し、代わりに、モディリアーニ四重奏団の4人が登場。

全員男性で、年齢も庄司紗矢香さんと同じ年代に見えた。庄司紗矢香さんは、パリ在住なので、日頃交流があるメンバーなのだろうと思った。
③は、ラベルの数少ない室内楽曲だそうだが、とくに1,2楽章が良いなと思った。モディリアーニ四重奏団はパリが拠点だということで、この曲も良く弾いているのだろうなと思った。

5.休憩のあとは、全員が登場して、珍しい構成の④ショーソンの曲を弾く。ショーソンは、先月関朋岳さんのリサイタルで、詩曲を聴いたので、生演奏は2回目ということになる。
この曲は、ピアノ+四重奏団の4人が、オーケストラの代わりを務める、ヴァイオリン協奏曲ということなのだろう。1892年に献呈されたウジェーヌ・イザイの演奏が初演とのこと。
予習で何度か聞いたが、実際に目で見ると、第1、第2ヴァイオリンとソロのヴァイオリンの弾き分けが、とても興味深く面白かった。
曲自体は、小生には、ちょっと音が多すぎる感じがしたが、フィナーレはとても盛り上がって、感動した。

会場からは、割れんばかりの拍手だったが、このメンバー構成だと、アンコールはないだろうと思ったら、その通りであった。

6.サントリーホールは、最善列で聴いても、綺麗な響きが良くわかり、耳がキンキンしない、庄司紗矢香サウンドを引き立てた。

2時間弱のコンサートはあっという間に終わってしまい、聞き足りない感じがして、終了後も少し、席から立てなかった。

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