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ヨーロッパ文化教養講座(日越外交関係樹立50周年記念ドラマ「ベトナムのひびき」)

2024/06/23
3月に放送されたドラマ
反田恭平君が俳優として出演するというので観た。
ポンコツオケを有能な指揮者が優秀なオケに変身させるという物語は、いろんなドラマで良く使われるプロットだが、本作で濱田岳さんが演じている指揮者は、モデルがいるそうだ。

日本とベトナムの外交関係樹立50年を記念した特集ドラマ。
指揮者の佐倉一男(濱田岳)はベトナムのオーケストラ再建を依頼され単身ハノイに渡る。通訳の森岡優子(比嘉愛未)とともに個性豊かなベトナムのメンバーたちと触れ合いながら、文化の壁を乗り越え一流のオーケストラを目指す。
後輩指揮者の光嶋(反田恭平)や妻の美也子(MEGUMI)、息子の博音(岡﨑彪太郎)とのあつれきやすれ違いを経て佐倉が見つけたものは…

映画.com

実在の指揮者は、本名(ほんな)徹次さん。2001年からベトナムフィル(VNSO)を指揮している。

本名さんによると、名古屋フィルを率いてアジア8カ国をまわる演奏旅行でベトナムへ来たときに、演奏会が終わると、当時、VNSOの首席チェリストだったクアン氏が楽屋にやってきて、「我々を助けてくれ」と言った。
そこで、翌年2001年2月11日、初めてVNSOを指揮した。
プログラムは、ベートーベンのフィデリオ序曲と交響曲第5番「運命」、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。

本名氏は言う「リハーサルをして驚きました。オーケストラにとって、アンサンブルを意識すること、つまり自分の楽器だけでなく、オーケストラ全体の音に耳を澄ますことが大切です。ところがその意識が欠けているんです。そもそも指揮棒をちゃんと見ていない」
練習態度にも問題があり、
「例えば遅刻です。練習の開始時刻になっても団員がそろわない」
これらのエピソードは、ドラマでも使われていた。
ただ、ドラマで、濱田岳さんが言ったように、個々の音はいい音だとのこと。

また、団員だけでなく、本名さんの報酬も低く、「最初は月100ドルでした。徐々に増額してくれましたが、音楽監督の今でも月給400ドルです(笑)」(本名)

本名さんが、VNSOを愛しているからこそ、できたことだろう。
ドラマのおかげで、いい話を知ることができた。

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