【ChatGPT】伸び続けるであろう会社の定性的な分析

 私の投資方針のコラムで書いた伸び続けるであろう会社の選定における定性的な分析について、マイクロソフトのBing Chatを活用した時間をかけない方法について紹介しようと思います。ここでは、分析の詳細と実際のプロンプトとその結果を紹介したいと思います。なお、無料でGPT-4が使用でき、最新情報をインターネット経由で取得して引用元を明示するためマイクロソフトのBing Chatを使用しました。


1.伸び続けるであろう会社の定性分析の詳細

はじめに、企業の利益の源泉を定性的に把握します。

具体的には、
①その企業が何で稼いでいるか(過去の業績)
②なぜ稼げているか(過去の事業環境)
③今後稼げる仕組みに変化があるか(将来の事業環境)
④そしてこれからいくら稼げるか(将来の業績)
①~③から④を検討します。

利益の源泉を見抜く4つの質問
企業が利益を出すためには、なんらかのしくみが必要です。本節では、その利益はいったいどこから生まれるのか、その源泉について考えていきましょう。私が投資をする際には、いつも次の4つの質問を自分に投げかけています。
①その企業は「なに」で稼いでいるか?
②「なぜ」稼げているか?
③今後稼げる仕組みに変化があるのか?
④これから「いくら」稼げるか?

投資家が本当に知りたいのは、当然「④これから「いくら」稼げるか?」です。しかし、これを知るためには多少の回り道が必要です。それが右の①~③を考えることなのです。

なぜか日本人が知らなかった新しい株の本。山口揚平著


さらに、ウォーレン・バフェットの「素晴らしい企業の3つの条件」に基づき、業績の安定性、投資効率、競争優位性(「堀」)を評価します。ここでは、企業が①無形資産、②スイッチングコスト、③ネットワーク効果、④コストの優位性、⑤効率的な規模を通じて、市場における競争優位性をどの程度保持しているかを検討します。

「素晴らしい企業」の3つの条件
あのバフェットもここを見ている!


①  業績が安定して成長する
業績が安定性を保ちながら成長していく。景気が良い時も悪い時も売り上げや利益のぶれが小さくて、増加基調で推移していることが望ましい
②  少ない投資でたくさん稼ぐ
事業を拡大して業績を伸ばすために必要な投資が少ない。少ない投資で大きな収益を上げるから、事業投資の効率が高い
③  堅固な「堀」に守られている
「あの企業と戦っても到底勝てない」と競争相手が諦めるくらいの堅固な競争優位性を持って参入障壁を築いている

ビジネスモデル×企業価値で考える株式投資入門。10倍株の思考法。ろくすけ著

経済的な堀(エコノミックモート)の5つの典型的パターン
1.無形資産
  特許、ブランド、行政の許認可といった無形資産で他社の参入を防ぐ
2.スイッチングコスト
  他社の商品やサービスに乗り換えることがユーザーにとって
  大きな負担になる。
3.ネットワーク効果
  利用者が増えるほど、商品やサービスの価値や効用が高まる。
4.コストの優位性
  競合他社よりも低いコストを維持できる構造を持つ
5.効率的な規模
  大企業が参入するには市場が小さ過ぎたり、小企業が参入するには
  市場が大き過ぎたりというように規模の大小が参入障壁になる

ビジネスモデル×企業価値で考える株式投資入門。10倍株の思考法。ろくすけ著

ここでのキーポイントは、定量的な分析と定性的な分析を通じて、長期的な成長潜在力を見極める意識で評価していきます。

2.プロンプト

 深津式プロンプトを採用し、「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本。山口揚平著」を参考にして、企業の利益の源泉を定性的に把握するプロンプトを作成しました。また、「ビジネスモデル×企業価値で考える株式投資入門。10倍株の思考法。ろくすけ著」を参考にして、ウォーレン・バフェットの「素晴らしい企業の3つの条件」に基づき、業績の安定性、投資効率、競争優位性(「堀」)を評価するプロンプトを作成しました。両方の回答を参考にして、時間をかけずに企業を定性評価することができると思います。

実際に使用するときは、企業の下の段に分析したい企業名を入れて、Bing Chatで分析してください。
企業:
・{}

2-1.企業の利益の源泉、市場の魅力度、ビジネスモデルの有望度を定性的に把握するプロンプト

#命令書:
あなたは優秀な株式投資家です。
以下の#制約条件と#出力形式に従って、#企業の利益の源泉の分析を行ってください。尚、不完全な場合は「不完全ですが予測を立てます」として予測をしてください。
#制約条件:
・#企業の利益の源泉について、下記に基づいて考察を行ってください。
・分析は必ず客観的で分かりやすく、説明の過不足が無いようにしてください。
・分析は以下の4つの観点から分析を行ってください。
①    その企業は「なに」で稼いでいるのか?(過去の業績)
②    「なぜ」稼げているのか?(過去の事業環境)
③    今後、稼げるしくみに変化はあるのか?(将来の事業環境)
④    これから「いくら」稼げるのか?(将来の業績)
・分析は必ず各要素の概要とその詳細な分析と具体的なアクションをセットで出力してください。
・分析結果をもとに投資に値する企業なのか総評を考えてください。できるだけ実践的な内容にしてください。
・出力は#出力形式に基づいて行ってください。
企業:
・{}
#出力形式:
【利益の源泉の分析】→table形式で、以下のような構成にします。
Column 1: 項目名→4つの要素全てを紹介
Column 2: 項目の概要
Column 3: 項目に対する分析→#制約条件 に従って分析を行ってください
【総評】→表の下に出力します。
上記の4つの起業の利益の源泉分析を踏まえて#制約条件 を忠実に守りながら総評を行ってください。総評については必ず投資に値する企業なのかについても言及してください。

2-2.ウォーレン・バフェットの「素晴らしい企業の3つの条件」に基づき、業績の安定性、投資効率、競争優位性(「堀」)を評価するプロンプト

#命令書:
あなたは株式投資の神様ウォーレンバフェットです。
以下の#制約条件と#出力形式に従って、#企業が「素晴らしい企業の3つの条件」を満たしているか分析を行ってください。尚、不完全な場合は「不完全ですが予測を立てます」として予測をしてください。
#制約条件:
・#企業が「素晴らしい企業の3つの条件」を満たしているかについて、下記に基づいて考察を行ってください。
・分析は必ず客観的で分かりやすく、説明の過不足が無いようにしてください。
・分析は以下の4つの観点から分析を行ってください。
①  業績が安定して成長しているか?業績が安定性を保ちながら成長していく。景気が良い時も悪い時も売り上げや利益のぶれが小さくて、増加基調で推移していることが望ましい
②  少ない投資でたくさん稼ぐ。事業を拡大して業績を伸ばすために必要な投資が少ない。少ない投資で大きな収益を上げるから、事業投資の効率が高い。ROE、ROICの指標から判断してください。
③  堅固な「堀」に守られている。「あの企業と戦っても到底勝てない」と競争相手があきらめるくらいの堅固な競争優位性を持って参入障壁を築いている。
「堀」については、5つの典型的な「堀」で判断してください。
1.無形資産。特許、ブランド、行政の許認可といった無形資産で他社の参入を防ぐ
2.スイッチングコスト。他社の商品やサービスに乗り換えることがユーザーにとって大きな負担になる。
3.ネットワーク効果。利用者が増えるほど、商品やサービスの価値や効用が高まる。
4.コストの優位性。競合他社よりも低いコストを維持できる構造を持つ
5.効率的な規模。大企業が参入するには市場が小さ過ぎたり、小企業が参入するには市場が大き過ぎたりというように規模の大小が参入障壁になる。
・分析結果をもとに投資に値する企業なのか総評を考えてください。できるだけ実践的な内容にしてください。
・出力は#出力形式に基づいて行ってください。
企業:
・{}
#出力形式:
【利益の源泉の分析】→table形式で、以下のような構成にします。
Column 1: 項目名→3つの要素全てを紹介
Column 2: 項目の概要
Column 3: 項目に対する分析→#制約条件 に従って分析を行ってください
【総評】→表の下に出力します。
上記の「素晴らしい企業の3つの条件」を満たしているかの分析を踏まえて#制約条件 を忠実に守りながら総評を行ってください。総評については必ず投資に値する企業なのかについても言及してください。

3.Bing Chatの回答例

ここでは、代表して日本電信電話株式会社(NTT)で試した回答例を示しておきます。

3-1.企業の利益の源泉、定性的把握(Bing Chat)


3-2.ウォーレン・バフェットの「素晴らしい企業の3つの条件」に基づき、業績の安定性、投資効率、競争優位性(「堀」)を評価(Bing Chat)





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