2023/06/03 日本魚類学会市民公開講座への補足 SciKotz 2023年6月10日 01:08 放流規制が採集や流通のあり方につながっていくのではないかという視座は、今日の議論のおかげで自分の中ではぐっと輪郭がはっきりしました。本当に素晴らしいメンバーの方々とやりとりさせていただき、感謝申し上げます。聞いてくださった方もありがとうございました。 #日本魚類学会市民公開講座2023— 小坪 遊 Yu Kotsubo(めったに米を持ち歩かない人) (@SciKotz) June 3, 2023 【備忘】(登壇者の発言のご趣旨に誤りがあれば、当方の責任です)山口さんの「法律が非常に複雑になっている」というご指摘、中村さんの「放流は違法投棄とも考えていいのでは」という問題提起も踏まえ、ぼんやり考えていたことがクリアに整理できたので、再掲(一部シンポでは言及できず)します。— 小坪 遊 Yu Kotsubo(めったに米を持ち歩かない人) (@SciKotz) June 3, 2023 山口さんのご指摘からは、制度設計も重要なのだけれども、「そもそも何を目指すのか」という法の趣旨に立ち戻ることの重要さを感じました。要は、いろいろ煩雑になっているかもしれないけど、「生態系への悪影響を回避して、持続可能に淡水魚たちと親しむ」ことをどう守るかということです。— 小坪 遊 Yu Kotsubo(めったに米を持ち歩かない人) (@SciKotz) June 3, 2023 中村さんの問題提起からは、「放流の規制」を他の問題とも比較して検討する重要さを感じました。触れたように動物愛護管理法では愛護動物の遺棄は禁止です。爬虫類までが対象ですが、法の趣旨に照らして、飼育動物を野外に放出するのはよくないと言ってよいと思います。https://t.co/Z7M76cdi0r— 小坪 遊 Yu Kotsubo(めったに米を持ち歩かない人) (@SciKotz) June 3, 2023 また、感想で申し上げたとおり「魚たちは飼っているときは宝物だけど野外に放つのは、環境負荷、汚染物質ととらえるべき」でしょう。環境の汚染は法律に基づいて厳しく規制されています。生態系に悪影響を及ぼす放流については、こうした考えからも規制の検討は必要ではないかと思います。— 小坪 遊 Yu Kotsubo(めったに米を持ち歩かない人) (@SciKotz) June 3, 2023 その上で、放流規制から採集や流通のあり方を検討するということが重要ではないかとコメントさせていただきました。あくまで理屈で、現実はそう簡単ではないですが、放流を規制(原則禁止など)すると、終生飼養が義務になります。そうなれば、飼い続けなければならないので採集圧を抑えることに— 小坪 遊 Yu Kotsubo(めったに米を持ち歩かない人) (@SciKotz) June 3, 2023 つながる機運が生まれます。逆にCRなどでもない限り、子どもが1匹や2匹捕るくらいなら問題は生じにくいとも言えるかもしれません。「自分が最後まで飼育できるだけ」の捕獲、採集は許容されうるかもしれません。また、そうした状況での流通には、放流を防ぐ努力が求められることにもなります。— 小坪 遊 Yu Kotsubo(めったに米を持ち歩かない人) (@SciKotz) June 3, 2023 最初は放流の問題点に関する普及啓発や、終生飼養の呼びかけ、トレーサビリティの確保といったところからかもしれませんが、将来的には万一野外に出たときの悪影響軽減を見据えて、不妊化個体のみの流通や、マイクロチップといった対策もセーフティーネットとして検討する余地があるかもしれません。— 小坪 遊 Yu Kotsubo(めったに米を持ち歩かない人) (@SciKotz) June 3, 2023 ここまでの規制や対策の流れがクリアになれば、事業者の方にも予見可能性が高まるかと思います。もちろん、対応のコストが生じることをどうするかという課題はありますが、あくまでも不備はたくさんあることは承知の私見で、検討の一つの材料になればうれしいです。というようなことを考えました。— 小坪 遊 Yu Kotsubo(めったに米を持ち歩かない人) (@SciKotz) June 3, 2023 先日の日本魚類学会の市民公開講座をご覧になった出版社の知り合いの方から連絡をいただきました。生き物をめぐる社会的環境の変化をお感じになったそうで、議論の内容を踏まえて「改訂を進めている生き物の飼育などを扱う図鑑の内容も対応したい」とのお話でした。#日本魚類学会市民公開講座2023— 小坪 遊 Yu Kotsubo(めったに米を持ち歩かない人) (@SciKotz) June 7, 2023 国、研究者、教育や域外保全を担う施設、愛好家向けの雑誌、販売・養殖の事業者といった様々な立場からの問題提起や建設的な議論が、参加者の方に伝わり、さらに図鑑として子どもたちをはじめとする読者へも広がる可能性が見えたことをとてもうれしく思っています。 #日本魚類学会市民公開講座2023— 小坪 遊 Yu Kotsubo(めったに米を持ち歩かない人) (@SciKotz) June 7, 2023 (なお、お話の内容をTwitterで紹介させていただくことは事前にご了承いただいています)— 小坪 遊 Yu Kotsubo(めったに米を持ち歩かない人) (@SciKotz) June 7, 2023 先日の日本魚類学会の市民公開講座をご覧になった別の企業の方から、ご相談を頂きました。 市民公開講座だけがきっかけではありませんでしたが、重要かつ前向きなお話でした。うかがってみると、なかなか難しい内容ではありましたが、市民公開講座で様々な立場の専門家の方が内容の濃い講演をされ、— 小坪 遊 Yu Kotsubo(めったに米を持ち歩かない人) (@SciKotz) June 14, 2023 建設的に議論をし、放流の問題などで一致点も見い出されたことは、 視聴者の方には大きかったのではないかと改めて思いました。今回の件は、然るべき方にご連絡・相談し、場合によっては後をお願い致しました。今後を期待を込めて見守りたいです。この件は、相談者のご了解の上で投稿しています。— 小坪 遊 Yu Kotsubo(めったに米を持ち歩かない人) (@SciKotz) June 14, 2023 ダウンロード copy #日本魚類学会市民公開講座2023 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート