2019年7月20日 「ペット動物の屋外飼養が引き起こす問題と求められる適正飼養」

さあ、勉強です!知ってる人会えるかな。
#ネコ問題


さて、本日のシンポ「ペット動物の屋外飼養が引き起こす問題と求められる適正飼養」について、感想めいたこと程度ですが、報告です。GARASANさん(@garasangarasan)にもまとめてになりますが、ご報告致します。 #ネコ問題

①いきなりの手抜きで申し訳ないのですが、大まかな内容は先日の院内集会とそう変わりません。nonaさんがまとめて下さっています。もちろん、違うところもありましたし、新たに気づかされたことも少なくなかったです。
「緊急会合!動愛法が抱える課題~動物の取引・飼育管理が引き起こす自然への被害~」小坪遊記者実況まとめ
流れていって終わりではもったいない内容でしたのでまとめておきました。
togetter.com

②まず昨今は奄美大島でのノネコ管理計画がクローズアップされていますが、そもそも外ネコの生態系リスクを知る大きなきっかけとなったのは、沖縄やんばるでのオキナワトゲネズミやケナガネズミへの捕食だったことが紹介されました。1990年代からの話です。 #ネコ問題

③ネコが突然生態系の脅威としてクローズアップされたわけではないということです。私も含めて、多くの人が知らなかったということでしょう。その上で、生態系へのリスクが知られるようになった現在、保健衛生という観点からのリスクについても重点的に取り上げられていました。 #ネコ問題

④日本相撲協会(本人談)の諸坂さんからは、「人の生活を守る」という観点や、ネコ好きの人だけでなく、ネコ嫌いの人やネコがダメ(アレルギーなど)の人の人権も守るような社会にしなければならない、との問題提起や、動愛法についての考察も披露されました。資料はこちらです。#ネコ問題

⑤許諾済みなので、希望の方にはDM可能です。ただ、地域猫の保健衛生リスクのところで、「ワクチンも打っていないネコが」という例え話がありましたが、1)ちゃんと予防接種している地域猫もいる、2)一方で全ての感染症が防げるわけではない、ことを私から付け加えておきたいと思います。#ネコ問題

⑥亘さんからはやはり島の外来種問題としての紹介がありましたが、徳之島の外ネコは里も森もやはりペットフードにかなり依存しているという部分が印象的でした。これ書くと「ノラネコだから処分できない」という方もおられるのは承知ですが、指摘したい問題はそこではありません。#ネコ問題

⑦エサを食べて元気なネコが希少種を狩る、つまり人によるエサ資源の投入が捕食リスクを増大させているという事実を理解して欲しいと思います。避妊去勢で解決できない問題です。たびたび批判されますが、この現象「過剰捕食」は拙著をご覧下さい。まさにこれです。#ネコ問題
(科学の扉)有害生物駆除に死角あり エサ場見逃し繁殖/別の生物増える場合も:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/DA3S13815107.html

⑧もう一つのキーワードは「多頭飼育」でした。亘さんは日本が「国家レベルの多頭飼育崩壊」状態だと喝破していました。続く宇根さんも、多頭飼育(これは一般的なイメージの方)が、病原体のプールになるリスクを改めて強調していました。治しても治しても集団として完治しない状態です。 #ネコ問題

⑨もう一点は、人獣共通感染症です。外に出しさえしなければ、もらわない病気があり、それを見る獣医師ら医療スタッフをも危険にさらしている現状が未公表データも含めて説明されていました。続く高島さんも、家畜を通じたり、庭仕事の際などのトキソプラズマのリスクを解説されました。 #ネコ問題

⑩宇根さんや高島さん、諸坂さんの指摘したのは、ネコ問題というよりは「人の安全をどう守るのか」という「人の問題」であるということです。従来はネコを捨てた加害者といった文脈で語られていた面もありますが、今度はネコから「被害」を受ける恐れも出ていることを理解しました。 #ネコ問題

⑪そんな関係は、人にもネコにとっても一層不幸だと思います。ただ、獣医、研究者、保護ボランティアさんをはじめ愛護団体の方たちにもそれぞれそんなに余力はないように感じます。また、今の法体制や対策、運用で、在来種はもちろん、外ネコも含めて全国のネコを「守れる」とも思えません。 #ネコ問題

⑫喧嘩をしている暇はないのです。よりよい制度、対策を打っていくためにも、共通の土台、エビデンスの上に立って、丁寧に議論をし、協力する道を探るしかないのです。私が伝えたいと思った感想はそういうことです。 了 #ネコ問題

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