2022/07/11 復活したナガスクジラ SciKotz 2022年7月11日 11:46 「研究チームは、ミナミナガスクジラがオキアミを食べるこの様子を非公式に「ナガスクジラ・パーティー」と呼んでいたという」とてもうれしいニュース。大型のヒゲクジラでもこうやって回復してくれるんですね。 #絶滅危惧種 https://t.co/pLE57omo38— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 11, 2022 原著はこちら。https://t.co/LPXg8UUfWGこれ、単に個体群動態の話にとどまらず、とても興味深いので(若干盛っている気もしますが)、少し紹介します。 #絶滅危惧種— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 11, 2022 イントロによれば、ナガスクジラは20世紀初頭には約32万5千頭いたそうですが、それが1~2%(数千頭)にまで個体数が減少。1978~2004年にIWCが行った調査では、南極半島付近には「ほんの少ししかいない」と報告されているとのこと。 #絶滅危惧種— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 11, 2022 予測モデルの妥当性のところはじっくり読んでないのでよく分かりませんが(じっくり読めば分かる保証もない)、この海域では、ナガスクジラの個体数を7909 頭(一の位まで必要ないですが)と推計(95%信頼区間1047~15743頭)でしています。「これは最小の推定個体数」とも言っています。 #絶滅危惧種— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 11, 2022 ここまででも十分研究グループの興奮が伝わってきますが、Discussionがまた面白いのです。ちょっと引用。”The footage presented in this study is the first documentation of large feeding aggregations of fin whales.” さらに続きます。 #絶滅危惧種— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 11, 2022 ” It was featured in the 2019 BBC nature documentary ‘Seven Worlds, One Planet’, narrated by Sir David Attenborough, who notes the event as 'the largest congregation of great whales ever filmed'.” アッテンボロー卿もほめてるぞ!と言わんばかり。でもよいですね! #絶滅危惧種— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 11, 2022 そのフィルムがBBCのページに一部あります。確かにこれは感動的です。研究者もめっちゃ喜んでます。#絶滅危惧種 https://t.co/g4KJu3vFJz— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 11, 2022 少し横道にそれましたが、Discussionでは、今回の発見や個体数の回復の経緯も考察されていますが、「お!」と思った面白いところはEnviromental implicationsのところです。最近、クジラの糞が海洋生態系に与える影響について注目が集まっています。それについても触れてあります。 #絶滅危惧種— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 11, 2022 クジラうんこのすごい役割は、マッコウクジラの例ですが、こちらの論文がオススメです。取材の際に、ズーラシアの村田浩一先生に教えていただいたものです(勘違いだった場合はすいません)。 #絶滅危惧種 https://t.co/zr37bwZdqI— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 11, 2022 わかりやすい図も。ざっくり言うと、海中で水平、または垂直への移動能力が優れたクジラが、ミネラルを大量に含んだうんこを排出することで、様々なところで植物プランクトンを爆産させる、という話です。「クジラポンプ」とか言われているらしいです。 #絶滅危惧種 https://t.co/sA62MqosHm— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 11, 2022 研究チームは、ナガスクジラの復活が、植物プランクトンを増やすことで、この海域の生態系を回復させるとともに、CO2吸収能力を高めるということも指摘しています。生物多様性の再生と気候変動対策の両立として極めて興味深い事例だと思いました。 了 #絶滅危惧種— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 11, 2022 参考)アッテンボロー卿。英国で最も信頼されている男性(女性はエリザベス女王)。https://t.co/HcNYoNYsrD— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 11, 2022 ダウンロード copy #絶滅危惧種 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート