スクレロモクルスが発見されて「翼竜」が熱くなっている!

今回は、スクレロモクルスの新しい研究で翼竜の起源がまた少し分かったぜ~というお話です。

スクレロモクルス:三畳紀にスコットランドに生息していたラゲルペトン類。体長は20cm

スクレロモクルスの分類が判明!

スクレロモクルスの分類は1世紀の間謎でした。最初に1907年に発見されてから、ずっとその分類がわからなかったのです。その理由は、スクレロモクレスは印象化石で見つかったからです。印象化石というのは化石自体が残っているのではなく、岩などに輪郭だけが残った化石のことです。当時の復元技術では印象化石にロウや樹脂などを流し込んで固めて化石を再現していました。

しかし当然精度は低いです。ざっくりした形はわかるものの細かい骨がわからなかったりします。また、体の一部分なのか岩のひびなのかも識別することが困難です。


最新の研究では、高解像度X線スキャナを使って3次元的に印象化石を解析することでスクレロモクルスの骨格をより精密に調べました。その結果、特徴的な大腿骨の先端部分が分かり「ラゲルぺトン科」であると判断されたのです。

ラゲルぺトン科は「翼竜」の起源に迫るピース

ラゲルペトン類であるとわかったことによって翼竜の起源の謎が少しだけ解明されました。なぜなら、ラゲルぺトン科は翼竜と近縁だと考えられているからです。

しかし、翼竜の起源はずっと謎でした。というのも翼竜は飛翔するために細い骨格をしているので化石として残りにくいからです。

最も古い翼竜の化石が発見されているのが2億2000万年前の化石。ペルム紀の末はおよそ2億5000万年前なので3000万年分の空白が空いているのです。そしてラゲルぺトン科が登場したと思われるのが2億4000万年前で、そこから翼竜に進化していったと思われます。

ラゲルぺトン科の中でもスクレノモクロスは2億3000万年前に生息していました。ただしスクレロモクルスや他のラゲルぺトン科には翼竜の進化の足掛かりとなる第4趾の発達や木登りのヒントは見られませんでした


つまり、まとめるとこうなります。

  • 2.5000万年前→中生代の始まり。爬虫類の台頭

  • 2.4000万年前→ラゲルぺトン科の登場。飛翔の兆候はなし。

  • ??

  • 2.2000万年前→最古の翼竜が発見されている

間の??の部分はまだわかっていないところです。ただ、??の期間に空を滑空するための何らかの進化が起こったわけですが、2.3000万年前に発見されたスクレロモクルスではまだ飛翔の痕跡はないんですよね~。
ラゲルぺトン科のなかでどんな変化が現れ、どのタイミングで翼竜へと進化していったのか、今後の発見に期待がかかっているのです。

おそらくは最初は木から木へと飛び移る動物で、そのうち皮膜を発達させ、ムササビのように滑空できるようになり、そこから翼竜のようにある程度の飛翔が可能となったのではないでしょうか。

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