小惑星からRNAの材料がみつかった

りゅうぐうの試料からウラシルが見つかったようですね。実験的な合成経路は明らかになってますが、小惑星で実際にできていたというのは夢がありますね。
Nat Commun 14, 1292 (2023). https://doi.org/10.1038/s41467-023-36904-3

還元的な原始大気を模した気体(メタンCH4、アンモニアNH3、水H2O、水素H2)に放電することによってアミノ酸などが生じることはミラーの1953年の実験によって明らかになった。

今回りゅうぐうの試料から検出されたウラシルも非生物的に合成することが可能である。
(1)メタンと窒素の混合物に放電することによってシアノアセチレンC3HNが生じる。一酸化炭素とアンモニアに紫外線を照射することによってシアン酸CHNOが生じる。シアノアセチルアルデヒドはシアノアセチレンシアン酸とシアノアセチルアルデヒドからシトシンが生じる(Ferris et al. 1968)。

(2)シアン化水素HCNの重合物の加水分解によって4、グアニジンが生じる。グアニジンとシアノアセトアルデヒド(シアノアセチルアセチレンから加水分解によって生じる)の反応によってシトシンが生じる(Ferris at al. 1974)。

ウラシルはシトシンの加水分解によって生じる。

Ferris, J. P., Sanchez, R. A., & Orgel, L. E. (1968). Studies in prebiotic synthesis: III. Synthesis of pyrimidines from cyanoacetylene and cyanate. Journal of molecular biology, 33(3), 693-704.
 
Ferris, J. P., Zamek, O. S., Altbuch, A. M., & Freiman, H. (1974). Chemial evolution: XVIII. Synthesis of Pyrimidines from Guanidine and Cyanoacetaldehyde. Journal of Molecular Evolution, 3, 301-309.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?