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パプアニューギニアの森で発見!伐採後、アリは多様な姿に!?
南太平洋に浮かぶ島国パプアニューギニア。深い緑に覆われた熱帯雨林には、たくさんの動植物が生息しています。その中にはしたたかな生存戦略で命をつなぐ、小さな生き物たちの姿もあります。
チェコ科学アカデミーなどの研究チームが注目したのは、森の伐採がアリに与える影響です。彼らは手つかずの原生林と、焼畑農業の後に木々が再び生えてきた二次林で木の上で暮らすアリを対象に、その種類や体の特徴を調査しました。
その結果、二次林のアリは原生林よりも種類は少ないものの、体の大きさや形はより多様性に富んでいることが分かりました。
なぜ伐採された後の方がアリたちはバラエティ豊かになっているのか?
アリたちのしたたかな生存戦略が隠されているようです。
原生林では大きな木々が空を覆い隠すほど生い茂り、アリたちにとって住みやすい環境が広がっています。しかし、森が伐採されると状況は一変します。大きな木々は切り倒され太陽の光が地面まで届くようになります。
一見すると明るい環境になったように思えますが、アリたちにとっては住処や食べ物を探す場所が減ってしまうことを意味します。限られた資源を巡って、アリたちの間の生存競争が激しくなります。
そこで、アリたちは生き残るための戦略として体の形を進化させてきました。
例えば、原生林では獲物を捕らえるための大きなアゴを持つ肉食性の種類が多く見られます。しかし、二次林では植物の蜜を吸うためにストローのような口を持つ種類や、敵から身を守るためのトゲを持つ種類など、様々な食性や防御機能を持つ種類が見られるようになりました。
伐採という環境の変化に対応するため、それぞれのアリが独自の進化を遂げ、その結果として二次林のアリは多様な姿を持つようになったと考えられています。
引用元
Hoenle, P. O., Plowman, N. S.,Matos-Maraví, P., de Bello, F., Bishop, T. R., Libra, M., Idigel, C.,Rimandai, M., & Klimes, P. (2024). Forest disturbance increasesfunctional diversity but decreases phylogenetic diversity of anarboreal tropical ant community. Journal of Animal Ecology, 93,501–516.
URL : https://doi.org/10.1111/1365-2656.14060
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