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シマハイエナの子育て戦略

シマハイエナは秘密主義で謎めいた哺乳類の一種です。その分布や個体数動向の解明は進んでいるものの、繁殖成功に影響を与える要因についてはまだ十分に理解されていません。そこで、本研究では、野生におけるシマハイエナの繁殖成功を初めて分析しました。中央イスラエルにおいて、15回の繁殖期にわたり、少なくとも1回の子育てをしたメスの繁殖成功度を測定しました。この期間中に33の巣穴で67回の繁殖イベントを調査し、151頭の若いハイエナを記録しました。巣穴は平均2年間使用され、1頭の繁殖メスが産む子の数は1~4頭で、ほとんどの子は1月から6月の間に生まれます。また、巣穴の近くの低地や低木地帯が多いほど、産仔数が多いこともわかりました。この種の謎めいた性質から、克服できない方法論的な限界があるものの、今回の発見は、繁殖成功が巣穴のある生息地に依存することを示した点で重要であり、長期的なサイクルで一貫した繁殖成功を保証するものです。

研究方法

イスラエル自然公園局(INPA)と自然保護協会の仕事の一環として、中央イスラエルのユダヤ地方にあるシマハイエナの巣穴を監視しました。研究開始当初は、ネゲブ砂漠北西部の巣穴も対象に含めました。本研究は、目視観察(双眼鏡X10、望遠鏡X20-60)、写真、ビデオ記録、カメラトラップに基づいています。

結果

1993年から2023年の間に、33カ所の巣穴で67回の繁殖が確認され、151頭の子どもが生まれました。1回の繁殖で生まれる子どもの数は1頭から4頭で、平均は2.2頭でした。巣穴は平均2年間使用され、同じメスが同じ巣穴を複数年使用する傾向がありました。また、低地や低木が多い場所にある巣穴ほど、産仔数が多いことがわかりました。

資料

タイトル:Reproductive ecology of free-ranging striped hyena Hyaena hyaena in central Israel
URL:https://esj-journals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1440-1703.12467
著者:Ezra Hadad, Amir Balaban, Jakub Z. Kosicki, Reuven Yosef

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