大喜利合同誌ExT Vol.2の感想

待ってました……!

大喜利プレイヤーによる漫画合同誌、大喜利合同誌ExT(以下、ExT)のVol.2がついに登場しました。

何しろ私は、ExTのVol.1を読んで、生大喜利の楽しさ(と、ボードマスターの信頼性)を知り、憧憬の念を抱いた人間。結果、読了の1ヶ月後に生大喜利デビューを果たしたので、ExTが無ければ勇気を出すこともなかったといえます。

そんなわけで、Vol.2が出るとなれば、当然買う気満々。Vol.1は通販で購入したので、今回も通販を待つか……と思っていたのですが、たまたまExT主催の三ル貝さんと千葉喜利vol.8でご一緒する機会に恵まれたので、そこで直接お譲りいただきました。

いざ手にした時点で感じましたが、とにかく厚みが凄いですね。以前ツイートでも写真を拝見してはいましたが、いざ実物を手にすると本当に厚い。厚い本って何だかお得な気がするので大好きです。

しかも今回は知り合いの作品が多い!
ExTにはただでさえ思い入れがあるのに、Vol.2では、生大喜利で実際にご一緒した方々の作品が読めるわけです。最高すぎる!

購入後、すぐに読み始め、あっという間に読了しました。早く寄稿者の皆さんには感想を、そしてまだ読んでいない皆さんには良さをお伝えしたい……! と思っていたのですが、ちょっと予定が立て込んで、なかなか取り組めておりませんでした。ようやく表せるこの喜び。

今回はまだ一般販売が開始されておらず、また一次創作の作品が多めなので、内容には極力踏み込まないようにしつつ、少しでも魅力を伝えることができたら、と思っております。
(7月25日追記: ボケルバでの販売が開始されていたようなので一部取り消しました)

前巻の感想は以下のnoteに載ってます。


北戸田スイッチさん

北戸田スイッチさん(以下、とだっち)の作品は、今回は一次創作。前作も読んでいますし、私自身描いてもらったりもしているので、画力の高さは知っていましたが、一次創作となると……これまた……良い……!

ボケルバをモチーフとした話なんですが、主人公の秋野くんがどんどんのめり込んでいく様を見て、「分かる分かる……!」となります。

そして、コマひとつひとつ、セリフひとつひとつの表現の仕方にも、とだっちらしい細部への拘りが感じられて、隅から隅まで読みたくなる作品でした。ボケルバに行きてえ……!

たいらさん

たいらさんの作品は、待望の続編。実は千葉喜利vol.6の時点で、続編を鋭意制作中であることをこっそり教えていただいており、ずっと楽しみにしていました。

見本ページの時点でなんとも愛おしいふたりですが、読み進めるにつれ、ウワー!って叫びたくなります。小野澤さんも高橋くんも最高!

やっぱり、誰か一人にでも自分の回答が刺さってくれたら良いな、と思います。これは当然第3話にも期待するしかありません。

フニャダキシンさん

フニャダキシンさんの作品も、一次創作。普段はイジられキャラに徹するサラリーマンの、哀愁と情熱が漂う物語です。

作品自体は短めなのであまり多くは語れないのですが、主人公の柴田さんを突き動かす衝動がビンビンに伝わってきました。周囲を彩る回答者たちも多彩! 彼らがどんな人なのかも見てみたいですね……。

あくたさん

あくたさんの作品は一次創作。見本ページだけ見ると「え?」となるかもしれませんが、バッチリ大喜利の話でした。これは特に作品を読んでほしいので内容の言及は特に避けますが、凄く好きです……!

この手の(としか言いようがない)作品には全く触れてこなかった私ですが、これは最高です。続編出ないかな……!

寺井さん

寺井さんの作品は、お馴染みのひよこの姿でご自身の経歴を振り返られたエッセイ。

あちこちで何度も申し上げている気はしますが、私は寺井さんの絵回答を見て「絵回答って良いな」と思い、頑張って画力を上げようと意識し始めたので、尊敬する方の漫画が読めるということだけで、最高に嬉しかったです。

画風もあって、ホッコリした作品かな……と思っていたのですが、結構シビアなことも描かれていて、でも最終的にはとても前向きな内容でした。自回答の再現も良い……!

あと、これは購入した人しか見られないだろ……!という絵もあって最高でした。気になる方は是非ご購入を。

fujiさん

fujiさんの作品は、漫画ではなくイラスト。大喜利関連の様々なコンテンツが凝縮されているのですが、字のない絵本が好まれるのと同じように、無言だからこそ自分で補完することが出来る良さがあるというか。

そして要素の拾い方も素晴らしい……! そういえばこれはまだ誰も描いてないかも、と思うイラストがいくつもありました。これも是非見て、というか読んで確かめていただきたいです。

そして、こういうイラストを描く上に、生大喜利ではあんな破壊的な回答も出来るのか……!と思ったりしました。

おさかな水溶液さん

おさかな水溶液さん(以下、おさかな)の作品はエッセイ。いきなり顔面モザイク、からの思いますパンチ。のっけからしっかりおさかなの世界観でした。

何と言っても情報量の多さ。小ボケやプチ情報の書き込みが凄まじいです。自らの確固たる世界観を持っているのは本当に羨ましいです。

あと、私とおさかなは単純に近隣(かなり大雑把な区分ですが)在住なので、めちゃくちゃ共感する内容ばかりでした。東京は遠い! 柏は渋谷! 千葉に光を!!

ABEまたは、sami三さん

ABEまたは、sami三さん(以下、sami三さん)の作品は自己紹介的なエッセイ。Vol.1の栃木ゆに(かねきさいり)さんの作品に描かれていたことがきっかけで、寄稿を熱望されたそうです。繋がりがまた縁を呼ぶの素敵……!

sami三さんは九州で大喜利会を主催されているとのことで、その一部が紹介されているのですが、イス取りゲーム大喜利がめちゃくちゃ楽しそうです。どうコラボレーションするのか、そして実際にやるとどんな感じになるのか……。かなり興味あります。

そしてご自身の過去の失敗談も描かれているのですが、「爪痕は自分にも残るよ!」という一文が印象的でした。端的に本質を捉えた名言だと思います。

気さくなウサギさん

気さくなウサギさんの作品は、チーム戦の話を中心としたエッセイ。

ご自身はかなりの人見知りとのことで、チーム戦の際にはかなり悩まれる様子。そんな気さくなウサギさんを、大喜利の仙人が救うのですが、仙人の見た目と喋りのギャップ……!
チームのオファーって本当に緊張するものなので、かなり参考になりました。

そして、主催されている大喜利大会「気さく杯」のグランプリ発表も誌上で行われています。これ、自分の回答を漫画にしてもらえるってことですか……!? 最高すぎる……! 次回以降、機会があれば是非参加したいです。

スポーツバッグさん

スポーツバッグさん(以下、スポバさん)の作品は、何やら二コマ目から不穏。いや、通常運転か……?
……もとい、ありそうでなかったスプレッドシート大喜利のお話です。

スポバさんは地方在住故に生大喜利への参加が難しく、それ故にハマったそうです。現代の技術って素晴らしい。私は環境的な問題で私はまだ一度しか参加できていない(し、そのときは声出しも出来ていない)ので、いつか本格的に参入したいですね……。

スポバさんが仰る通り、かなり生大喜利に近い感覚で参加できる(はずな)ので、地理的要因とか、顔出しNGといった理由で生大喜利に出られない方にこそ、是非参加していただきたいです……!

ささくれメーカーさん

ささくれメーカーさん(以下、ささくれさん)の作品は、お馴染みの画風で描かれたエッセイ。

「面白い人間に……なりてぇ……!!」という直球な理由で大喜利を始められ、早くもほうぼうでご活躍されているささくれさん。そんな氏の大喜利との出会いや、生大喜利デビューの話が描かれています。
こういう、生大喜利の楽しさが伝わってくる作品最高です……! 私のように、ExTきっかけで生大喜利に興味を持たれる方は他にも絶対にいらっしゃるので。

今やbigiriで精力的に企画を開催されるなど、鍛錬に余念がない、向上心の塊のような存在。今夏は「何かしらで優勝する」ことを目標に掲げてらっしゃいますが、本当にそう遠くない気がします(何様?)。

三ル貝さん

三ル貝さんの作品は、ご自身が精力的に制作を続けられている最速レポ漫画の最速レポ漫画(!?)。

生大喜利やネット上での企画後にすぐアップされるあの漫画は、本当にスピード勝負のようです。
何と言うか、すぐアップされるのに私も慣れてしまいましたが、冷静に考えたらすごいこと。その上ExTの取りまとめも、大喜利以外の同人活動も、幅広く行っていらっしゃるそのバイタリティには敬服するほかありません。

コピ本出たら是非買いたいです……!

四つ葉の黒婆さんさん

四つ葉の黒婆さんさん(以下、黒婆さん)の作品は、三ル貝さんをインタビュアーに迎えて行われた、架空のインタビュー。2ページ目から怒涛の展開ですが、それは置いといて。

黒婆さんは週刊少年ジャンプの投稿ページ出身とのことで、ゲーム雑誌の投稿が初めてのネタ活動だった私は勝手に親近感を覚えました。

全体的に自由な作風でとても面白かったです。双葉杯、絶対に出るぞ……!

東堂さん

東堂さんの作品は四コマとエッセイで、かなり盛り沢山の内容でした。

せっかくなので実物を読んで体感していただきたいのですが、上記ツイートに載っているようなゆるい4コマの直後、かなり濃い目の自己紹介が始まるのはなかなかに衝撃的でした。情報の詰まった、密度の高い9ページ。

生大喜利にハマったことによって段々とアクティブになっていき、やがて会を主催したり、大喜利以外の趣味に派生したりする様は、私が目標とすべきものかもしれません。Vol.2の〆に大変良いものを読ませていただきました。

終わりに

100ページ超をあっという間に読み終えてしまい、その後このnoteのためにもう一度じっくり読み直したのですが、本当に良いですね。やっぱり皆さん愛がある。大喜利を楽しんでいらっしゃる。そこだけは忘れてはいけないと私も思っているので、色んな方の大喜利愛を感じられて充足感があります。
そして、エッセイはもとより、今回増加した一次創作がどれも素晴らしい。エッセイと混在しているからこその良さも当然あるとは思うんですが、一次創作だけで1巻作られたら凄いかも、と思ったりもしました。

あとは、前巻に引き続き、作中に「これはきっとモデルがいらっしゃるんだろうな」と感じる人物がちょいちょい描かれているのですが、ゆくゆくは私もひっそり描いてもらえるようになったら最高だなぁ……などと夢想しました。
これは別に承認欲求とかではなくて、こういうところで出してもらえるくらい、実力のあるプレイヤーになりたい、という意味で。そのためには、各地の大喜利会や大会に出たいし、色々な場所で爪痕を残していきたいなぁと思った次第です。ExTがきっかけで、かなり意識を外に向けることが出来ています。本当にありがたい限り。

そんなわけで、Vol.1に続きVol.2も最高でした! 私はたまたま大いに影響を受けていますが、そのような読み方でなくとも、是非多くの人に読んでほしいです。とにかく面白いので!

このnoteを書いている時点では、まだ一般販売は開始されていませんが、前巻と同じく、ボケルバやメロンブックス通販で購入できるようになるはずです。
(7月25日追記: 下書き段階ではまだ発売されていませんでしたが、7月25日時点ではボケルバで購入可能とのことでしたので、一部修正しました。なお通販はまだ開始されていません)

勿論三ル貝さんと会で同席される方向けの直販もあります(在庫状況は御本人に確認されることをおすすめします)。制作には全く携わってませんが、買ってくれ!!!

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