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【No.7硫酸】

こんにちは実験好きなトラ猫です
今回は酸の王様
『硫酸』を作っていこうと思います。

硫酸とは

硫酸とはH₂SO₄で表せられる
強酸性液体です。
三酸化硫黄を水に吸収させるとできます。
無色透明で油のような液体です。

※注意

硫酸は強酸性液体です。
濃硫酸には強力な脱水作用があります。
皮膚に触れると皮膚から水分を奪ってしまい
あっという間に手が炭化します。

マジで洒落になりません
人体に触れると激しい薬傷をきたします。

10%以上の濃度の硫酸は
毒物劇物取り締まり法で劇物に指定されています。
鍵のかかる薬品箱に“医薬用外劇物”と表示し、
紛失防止のために在庫を確認できるようにしてください。

捨てる時は5%以下に希釈して
希塩酸や希硫酸等で希釈してから廃棄してください。

硫酸は
爆発性も引火性もありませんが
薄めた希硫酸は各種金属を腐食して
水素ガスを発生させます。

これに空気が混じったものに
引火爆発することがあるので
金属には触れないようにしてください。

可燃物や有機物に触れさせないようにして下さい
有機物に触れると一気に炭化します。

硫酸を水で薄めるときは
絶対に水に硫酸を入れるようにして下さい。
逆をやると硫酸が飛んできます。

廃棄する時は
石灰乳などを使って中和した後
大量の水で希釈して処理しましょう。

前置きが長くなりましたが
ここから実験スタートです。

実験!

主に作り方は3つあります。
では作っていきましょう。

⑴硫黄の燃焼

一つ目の方法は硫黄を燃焼させ
二酸化硫黄を発生させます。
それを過酸化水素に吸収させる方法です。

亜硫酸ガス(SO₂)が出るので
換気するか屋外で行って下さい。

では早速初めていきましょう。
材料は硫黄と過酸化水素水のみですが
どちらも用意するのが難しいですね

硫黄はアマゾンなどで
1kg1500円くらいで売っているので
それを使います。

過酸化水素水は
オキシドールの中に3%ほど入っています。
なので理論的には3%の硫酸ができます。

オキシドールは薬局などで
300円くらいで売っているのでそれを使います。

では作ってみましょう

①まず密閉できる容器、ガラスの蓋が閉まる容器に
オキシドールを入れます。
その中に硫黄の燃焼のための燃焼皿として
アルミ缶をひっくり返したようなものを入れます。

オキシドールにギリギリ触れないくらいの高さに
燃焼皿を合わせてその上に硫黄をおきます。

②硫黄を燃焼させて蓋を閉めますが
本当なら少し酸素が入っているといいです。
(硫黄の燃焼の手助けとして)

それでは硫黄に火をつけましょう
青い光で静かに燃えます。
火がついたら速やかにフタをしめ
密閉します。

③燃焼が終了するまで
ほっときます。

できればアルミ缶と硫黄の燃えカスを
そ〜っと回収してフタを閉めて
ガッシャンコガッシャンコ振りたいのですが
(亜硫酸ガスは空気より重いので沈みます。)

まあできなければそのまま
開けて水を取り出しちゃっても構いません
収率は下がりますが

あとは木の薄板を浮かべてその上に
硫黄を乗っけて燃焼させてもいいと思います。

そうすればガッシャンコガッシャンコできますからね
まあとにかく振ると硫酸の収率は上がります。

④そうしてできた液体を
加熱しまくって
水溶液を100分の3程度にします。
(3%しか入っていないので)

濃硫酸として機能する量は
約90%以上なのでとりあえず
加熱しまくりましょう。
目標は98%以上です。

これが一つ目の作り方です。
では次の作り方を紹介していきます。

⑵硫酸塩に硝酸

二つ目は硫酸塩
硫酸Mgや硫酸Na、硫酸Kなどに
濃硝酸を入れると

硫酸と硝酸塩ができる反応でやってみましょう
ちなみに逆の反応
硝酸塩に濃硫酸だと硝酸ができます。

では早速やっていきましょう
材料は硫酸塩と濃硝酸です。
硫酸Mgなどは入浴剤として
純度の高いものが売っています。

あと肥料としても色々売っています
とりあえず硫酸〇〇なら大丈夫です。
なるべくそれ単体のものを使いましょう。

①硫酸塩をビーカーなどに入れて
濃硝酸を加えましょう。

②濾過したら完成!

簡単ですね
これほっとくと多分硝酸に戻っちゃうので
とっとと固形物を取り除いちゃいましょう

硝酸なんかねーよ!って人が
ほとんどだと思うんですが
薬局に行けば売っています。
(硫酸も売ってます。)

はい次三つ目に移りましょう

⑶硫酸アンモニウムをあれこれ

三つ目は肥料としてあっちこっちで
売られている硫酸アンモニウムを
銅電極で加熱しながら電気分解して
アンモニアを飛ばしながら一旦硫酸銅にし、

今度は炭素か白金電極で銅を取り除くと
薄い硫酸が得られ
それを煮詰めていくと濃硫酸が得られる。
というわけです。

では材料です。
硫酸アンモニウム(硫安)
これはホームセンター等で肥料として売っています。
これを水で飽和させた水溶液を用意します。

あと銅の板と炭素か白金の電極を用意します。
何回か電気分解の記事で白金だの炭素だのと
書いていますがそれが何かをチョロっと説明します。

白金はプラチナとも呼ばれ
金の次にイオン化傾向が小さいので
これを使えばほとんど電気分解の時に溶け出したり
変化したりしないので電気分解によく使われます。

ただ、プラチナなので高いです。
薄板の本当にちっちゃいものでも5000円とかします。
僕は持っていません。高いから。

そこでもう一つ変化しない上に電気が通って
なおかつ安い電極が存在します。

それが炭素なんです。
で、どこにそんなもん売ってんだ
って話ですが身近なものだと二つあります。

一つ目は鉛筆の芯です。
これは黒鉛でできているので
炭素電極としても使えます。
なるべく太いものを使って下さい。

二つ目はマンガン電池の中身です。
マンガン電池は亜鉛のカバーに
二酸化マンガンを詰めて真ん中に
炭素の電極を入れただけのものです。

なのでマンガン電池を分解して
中の炭素を頂いちゃいましょう
電池の分解は今度別で記事をあげときます。

そんなこんなで硫安と銅電極と
変化しない電極を用意しましょう。

では早速初めていきましょう

①まず硫酸アンモニウムの飽和水溶液を
ガラスかポリエチレンの容器に入れます。

②次に銅の電極を最初の電気分解では
陰極(-極)と陽極(+極)両方につけます。
そして湯煎で加熱しながら電気分解します。

すっごいアンモニアが出てくるので
絶対部屋の中でやらないでください。
マジで後悔します。

③そうすると水溶液が濃い青色の水溶液になります。
そのまま今度は陰極に銅板、
陽極に変化しない電極(白金か炭素)

使って電気分解します。

そうすると今度は水溶液が透明になります。
そのまましばらく電気分解してから
銅の電極を抜いてから電源を止めます。
(硫酸にまた銅が溶けちゃうから)

これ透明になってからもしばらく
分解を続けないと硫酸銅が残っちゃいます。
長めに続けて下さい。

そうしてできた水溶液は薄〜い硫酸です。
なのでこれを加熱で濃硫酸にします。
ちなみに硫酸の沸点は337℃です。

完成しましたね。濃硫酸は脱水性と言って
物質から水素と酸素をH₂Oの量でかっさらっていく性質があり
砂糖なんかにかけると炭しか残りません

保存するときは濃硫酸も希硫酸も
ポリエチレンの容器で保存が可能です。
しかし希硫酸はガラスや金属を溶かしまくるので
ガラスの容器での保存はやめましょう。

濃硫酸は空気中から水分を奪い去り
勝手に希硫酸になるといういい性格の持ち主なので
絶対にフタを開けっぱなしにしたりはしないでください。
(大惨事になるので)

今回はここまでです。
希硫酸も濃硫酸も、とにかく危ないので
取り扱いには十分注意して下さい。
間違っても目を擦ったりしないでくださいね

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます。
これからもとにかく色々書いていくので
フォローがまだの人はフォローよろしく

実験好きなトラ猫でした
それではまた

バイバイ!

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