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【No.3.2】水酸化ナトリウム作り

こんにちは、実験好きなトラ猫です。
今回は前回の続きアルカリの王様水酸化ナトリウムの
複分解ではなく電気分解で作ろうと思います。

前回の記事です。


最初に

さて今回は前回作った水酸化ナトリウム
の別の作り方を説明していきます。

前回は複分解により
水酸化カルシウム+炭酸ナトリウムを
水酸化ナトリウム+炭酸カルシウムに
しました。

今回は塩化ナトリウム水溶液を電気分解して
水酸化ナトリウムを作っていこうと思います。

※注意

前回も書きましたが
水酸化ナトリウムは強アルカリ性物質です。
目に入ると刺激を受けます。
皮膚に触れると腐食します。

なんで腐食するのかというと
強アルカリは、たんぱく質や脂肪を分解し
溶解させる性質があるから

皮膚や目についた場合には
硫酸や硝酸などの強酸より危ない場合があります。
(強酸も十分危ないです。)

今回も書きますが
固体の水酸化ナトリウムと
5%以上の濃度の水酸化ナトリウムは
毒物劇物取り締まり法で劇物に指定されています。
鍵のかかる薬品箱に“医薬用外劇物”と表示し、
紛失防止のために在庫を確認できるようにしてください。

捨てる時は5%以下に希釈して
希塩酸や希硫酸等で希釈してから廃棄してください

固体の状態の水酸化ナトリウムは
潮解性(空気中の水分を吸って液体になること)
があり二酸化炭素も吸収するので
保管時には密栓するようにしてください。

水酸化ナトリウム水溶液は
爆発性も引火性もありませんがアルミニウム、
スズ、亜鉛を腐食して水素を生成し、
これに空気との混ガスに引火爆発することがあるので
金属には触れないようにしてください。

実験①

それでは
作っていきましょう

今回は電気分解で作っていきます。
イオン交換膜を使ってイオン化傾向の大きい
ナトリウムを移動させて水酸化ナトリウムを作ります。


今回はイオン交換膜として素焼きのツボを使います。
いや〜これ近くに全然売ってなくて
塩の保存容器として100均で300円で売っているのを
見つけてスキップしながら買ってきました。

①さてこのツボの中にできるだけ真水を入れます。
(あ、その前に洗ってね)
精製水とか蒸留水がいいんですが
まあ水道水を一日置いといたものでも代用できます。

②そしてこのツボを
飽和食塩水の入ったボウルか何かに入れます。
飽和食塩水は限界まで食塩を溶かした食塩水です。
ちょっと残るくらい塩を溶かすと飽和します。

③で、ここ重要ですよ〜
ツボの中に陰極(-極)飽和食塩水に陽極(+極)
を入れて電気分解します。

電極はプラチナか炭素かステンレス等でやりましょう
つまりお母さんの指輪か鉛筆の芯か
ステンレス板で行ってください。
お母さんのプラチナの指輪がどうなろうと知りません。

実験好きなトラ猫は家にほったらかしてあった
ステンレス板に穴を開けて電極にしました。
普通の御家庭なら鉛筆の芯や
マンガン電池の中の炭素棒でやるといいでしょう。

電圧電流は
実験好きなトラ猫は
18V1Aで3〜4時間電気分解しました

④これでph試験紙とかで強アルカリ性になったら(ph12くらい)
電気分解を止めます。

⑤これで水溶液の完成なので
前回と同じように煮詰めまくって固体にしていきます。

今回はほとんど不純物が入っていないはずです。
なので純度が高めの水酸化ナトリウムの固体、
水溶液が手に入ります。

以上で完成です。
お疲れ様でした

今回はちょっと違う実験もしてみましょう

実験②

水酸化ナトリウムは最初の方で書きましたが
金属を腐食します。
なのでアルミニウム箔を溶かしてみましょう

試験管に水酸化ナトリウム水溶液を入れて
そこに1cm角に切ったアルミニウムを入れて
少し振って置いてみましょう。

全然関係ないですがハサミで
アルミニウム箔を切ると切れ味復活しますよ。

話が脱線しましたが
このように・・・

試験管って普通の御家庭にないですよね
ドウシヨ

あっ、じゃあペットボトルのキャップに
水酸化ナトリウムを入れてそこに
アルミ箔を入れて爪楊枝で
ツンツンすると

ブクブクと水素の泡が発生して
そのままほっとくと溶け切ります。

ちなみになぜペットボトルのキャップかというと
(長いんで以下ペトキャ)

ペットボトル本体はポリエチレンテレフタレート(PET)で
ペトキャはポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)で
できています。PETは水酸化ナトリウムで変化しますが
PPやPEは変化しないのでペトキャを使いました。

もう一つ面白い実験を

No.2で炭酸ナトリウムを作った時
炭酸水素ナトリウム(重曹)
を使いました。

これを水酸化ナトリウムでカンタンに
作ってみようと思います。

材料
水酸化ナトリウム、炭酸水

簡単でしょ炭酸水があればできちゃうんです。

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