068構図のはなし9(いい写真とは15)
卒業アルバムと学校写真のエキスパート 一級写真技能士の田賀谷浩です。今回もお目通しいただきありがとうございます。
曲線にちなんだ話の続きです。
S字構図
C字がひとつの曲線なのと比較して2つ(以上)の曲線で構成される構図です。より奥行きや時間の経過、動きや流れを出しやすくなります。
作例その1は道路がSの字の場面でツーリングの模様をバックショットで追った絵ですが、偶然にも対向車が連続して来ていた事もあって、車の向きが 左-右-左 と一台ごとに変わって写ってくれて時間の経過による状態の変化まで写し込めた一枚となりました。
作例その2は展望台へ向かう遊歩道の敷石がリズミカルに曲がっていて、その先が明るい空になっていることもあって無限に続いているかの錯覚すら感じさせる絵になりました。
どちらもなんの変哲もない日常の景色になりがちなシチュエーションですが、S字の場面はないかと注視していて見つけた撮影ポジションです。前者は対向車が、後者は陽射しが、偶然にも作用してくれてより効果性を増してくれてはいますが、その出会いが写真の面白さかなと思います。
今回は画面につづれ織りがある構図の紹介でした。何かお気づきや共感などありましたら「スキ」をいただけると励みになります。お読みいただきありがとうございました。