最もシンプルな自分への愛を示す方法

よく自分を愛することが大切とは聞くけれど、じゃあどうしたらそれができるのか分からないと言われるし、以前の私もそうだった。

他者の存在を意識しないでは暮らせない今の社会の成り立ちでは、他人が先か自分が先かという二つのどちらを選ぶかで常に葛藤せざるを得ない面はたしかにあるように思う。他者を優先させればどうしても自分は後回しになるし、それを思いやりという言葉で濁してしまっているところもあるかもしれないと思う。

他者を尊重することと自らを愛することのどちらも大切であって、どちらかを選ぶとどちらかを捨てなければならないわけではない。ただ自分を愛する姿勢は、どちらかというと自己中心的態度と混ぜこぜになっている感じも個人的にはしている。


洞察力のある人ほど、自らを省みる姿勢が身についている人ほど、自分の良さよりも改善点を先に見つけてしまうかもしれない。そうなるとますます自分を愛するという課題のハードルが上がったように感じる人もいるかもしれない。

他者に向けられる“愛している”という言葉を自分に向けるのもなんとなく違和感を感じる人も多いかもしれない。自分で自分に言ってどうなるんだという気持ちはかつての私の中にもあった。


それでも自分自身に愛を示すことは何をおいても大切であると思う。とりわけ意気消沈するような出来事の後に、孤独で潰れそうな時に、自信を失いそうな時にこそ、私は私を愛するという姿勢はその後の選択にポジティブな力を与えてくれる。


そしてそれを最もシンプルに実現する方法は、

「ありがとう」という言葉を自分に伝えることである。

何ができてもできなくても、誰が何と言おうとも私という存在を自ら否定するまでに追い詰める必要はない。ありがとうの言葉は、もう自分なんてどうでもいいと投げやりになりそうな状態であっても、愛しているという言葉よりはすんなり入りやすく自分自身でいることを認めるよ、という宣言と言えるかもしれない。そしてその言葉を受け取った後の“私”は、もう少しがんばってみようかという気持ちになれるから不思議である。





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