天王星の牡牛座入りに寄せて


久しぶりに星のことを書く。

今年の天体運行のメインイベントのひとつが、天王星の牡牛座イングレスである。牡牛座新月直後の16日未明に牡牛座入りした天王星は、年末に逆行で一時牡羊座に戻った後に、来年3月に完全に移行する。


天王星はおよそ7年ごとにサインを移動し、84年周期で12サインを一周する。概ね人間の平均寿命に近いことから、ネイタル図ではライフサイクルの指標とする見方もあるが、それ以外に世の中の流れにおいても天王星の周期は重要視される傾向は強い。


このことについては、すでに様々な予想があり歴史上の出来事との比較もあちこちでなされているので私は別の面から天王星牡牛座時代について、思うところを述べたい。とりあえず、収入とか才能とか、牡牛座のサインが象徴するものと改革を意味する天王星の組み合わせなので、実生活に深く関わる領域で新たな発見や進化が見られるだろうと私も予想している。また医療関係者としては、先端医療の歩みの早さにひたすら驚いている次第であり、これからどこへ向かうのかに大いに注目している。


私は一方では見えないものを扱う立場にあるので、それに関して感じていることやチャネリングを通して見たものについて書く。もう十分怪しいのは承知だが、多少なりともああそうかもと思っていただければ幸いである。


1.拡大するのは意識 

土星より遠い3天体は連動して働いているという原則に基づくと、天王星はほかの2天体(海王星・冥王星)の影響力を土星にもたらすための仲立ちをし、土星の作った「個人や社会の枠組み」を超えて外の世界から新しいものを取り入れる手助けをしている、と考えるとわかりやすいかもしれない。例えば冥王星なら壁があるならそれを「木っ端微塵」にしてゼロからやり直そうとするのに対し、天王星は壁の外側から必要な武器を与えて、中にいる人がそれを壊すように促すというイメージである。

ネイタル図で天王星が主要なハウスに位置していると、どうしても「その他大勢と同じこと」ができにくくなるのは、一つは「壁の向こう側」を見てしまうからであり、社会という囲いの外側に出てより広い視野から、”今よりもっと良くなるために何を変えたり改良すればよいか”の答えを探そうとするからという意見もある。そうなるとどうしても常識の範囲では解決できないことが出てくるので自分自身の考えや意識を広げざるを得ず、皆が支持するやり方に従えなくなるのもあるだろう。

トランジット天王星は同様に、滞在するサインに関して結果的に人間の意識を拡大の方向に持っていくのではないかと私は考えている。というのは、天王星がやってくると、そのサインについて特に実生活に関わる部分で大抵今までのやり方ではうまくいかなくなり、やむを得ずでも新しいことをやり始めるケースをいろいろ見てきたからである。牡牛座というサインについて真っ先に金融や個人の能力、感覚的なものがイメージとして浮かぶが、そのような”牡牛座的なもの”がなんとなくうまくいかないとか今のままではいかんなと感じるようになったら、それをどう乗り越えるかを模索する中で次第に意識が変わっていき、新しいやり方や考え方を受け入れられるようになっていくのかもしれないし、同じところにずっと留まってはいられなくなるのではないかとも思う。


2.手放さなければならないものがある


最近よく収入革命とか豊かさという言葉を目にするし、見方によっては天王星を幸運の星と捉える向きも確かにあるので、この7年間でそれらを実現したいならそうなる可能性は大いにあると思う。ただ私はその前提として大事だと思うことを述べたいと思う。


天王星は反逆や革命を意味するという考え方もあるが、それはおそらく土星意識から捉えたものかもしれない。天王星が発見される遙か昔からその存在を自らの人生に取り入れて偉業を成し遂げた人たちがいたことは確かで(ユングもその一人らしい)、彼らが世の中とは違う視点を持ち、主流からはみ出すことを恐れなかったからこそ大発見や大仕事ができたのだという見方も一理あるように思う。では、牡牛座的な領域で願いを叶えたい、成功したいのであれば何かに対しあえて違う道を選んだり、何かと決別しなければならないのかと言えば、そうではないと思う。ただ、天王星が移動する前後は、春分やサターンリターン(トランジット土星が生まれた時の星座に戻ってくること)と同様に振り返りと手放しのチャンスとも言え、そしてそれは概ね自分自身の信念や”そうするのが当たり前である”ことに関してというのが私の見方である。


この数年の世の中の流れと天体の運行を見ていて、確かにわたしたちは豊かさについて、新たな体験の可能な段階に入っていると感じている。それを自分のものにするために手放さなければならないものがあるとすれば、それは”被害者意識”や”環境の犠牲になっている”という考え方なのかもしれないと思うのである。他者や環境が時に苦痛やネガティブな影響を与えているのは事実であったとしても、その状態に留まるのか過去のこととして前に進むのかは結局は個人の決断に任されているし、それ以外にも個人で選べることはたくさんある。豊かさは心の状態である、という言葉が本当であるならまずわたしたちがしなければならないのは豊かさを味わう妨げになるものを取り除いていくことであり、”〜があれば(なければ)もっと良くなるのに”という意識を手放せるかどうかだろう。難題ではあるが、自分の感情や思考にもっと注意を向けていくと、その中に要らなくなったものが必ず見つかるだろうと思う。土星意識はたとえそれが嫌なものでもそこに留まるべき、周りに合わせる努力をしろと訴えるが、天王星はダメならダメでそのままにしてよりよい環境や人を選ぶために自分から離れてもいいんだよとささやくのである。


3.「魂の器としての肉体」の変化

五感や身体を意味する牡牛座の天王星入りは、それらに変化をもたらすという予想もいろいろある。それを意識の拡大という点から述べるなら、「魂の器としての肉体」なのか「肉体を纏った魂」なのかどちらを主体とするかによって身体の捉え方が全く違ってくるということを記しておきたいと思う。天王星意識は後者であり、魂を主体に置くことで身体そのものの扱い方や機能にも変化が訪れる可能性があるという見方なのである。これについてはなかなか理解が難しいと承知はしているが、あえて取り上げたのは最近ヨガや瞑想などが日常生活に取り入れられてきている流れがあるからで、もしそれらが浸透していくと「個人個人が分離した、単なる肉体としての存在」から「すべてが繋がっている、肉体を超えた存在の一部である」という意識の変化とともに身体を最善の状態に調整するために何ができるのかを見いだすことも可能だろうと思う。


4.これからのこと

天王星イングレス図を見る限りは、牡牛座新月と山羊座土星・冥王星で地のサインの力が強く、また火星とのスクエアがエレメントを変えて継続することから、物事を無理にでも早急に解決したい、なんとかしなければという強い圧力のかかりやすい状態が少なくとも今年終わり頃まで(火星が水瓶座を抜けるまで)続くのではないかという感じはある。さらに1ハウスの山羊座土星と冥王星にイングレス直前の火星という星回りに連動して、一昨日気になる情報が入ってきており、次の新月までの1ヶ月は特に世の中の動きによっては少し遠い未来に関わる重要な時期になる可能性もある。

また天王星牡牛座時代の本格的な幕開けは来年天王星の逆行が終わって牡牛座に戻ってからになるかもしれないが、ルーラーである水瓶座に土星が入ってからの2年間を含めここから4年間の動向が非常に重要ではないかと私は個人的に思っている。(土星は水瓶座の旧支配星でもあり、その直前にグレートコンジャンクションがやってくるからというのも理由のひとつ)とりわけ水瓶座土星期は、このまま行くと各分野先端技術の分岐点になる可能性もあると思う。天王星が牡牛座を抜ける7年後、冥王星は水瓶座へ、海王星は牡羊座へ移動していて、世代の移り変わりとともに世の中がどう変わっているのかは、この2年間の生き方次第ではないかとも感じている。


まず意識が先で出来事はその結果であるという観点から述べるなら、予想は予想に過ぎずまだ何も決まっていないというのが真実であり、わたしたちの意識次第で道筋は変更する余地は大いにあると思う。何かを選んだり決めたりするのに、もし求めるものと現実の乖離を最小限にしたいのなら、自分が本当に何を望むのかをもう一度きちんと整理しておくとよいのではないかと思う。少し厳しいと感じる方もおられるとは思うが、他者の望みを生きるのか、自分自身の心に正直に生きるのかは今後ますます問われていくと思うので、まずは正しさや善か悪かという概念から離れ、静かな場所で自分と向き合ってみることをお勧めして締めとしたい。



さて、上記の気になる情報については、急を要することでもあるのでこの後まとめたい。



 

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