変容の月
今月初めの日食と21日の月食はルシエルさんの予言どおりただものではなかったようだ。世の中も慌ただしいが、個人の生活も本当に慌ただしかったのは前述の通りである。仕事自体も個人的にも今までになかったことがいろいろ起きている。
私のサラリーマンとしての仕事については、雇用のあり方がちょっと特殊である。所属はとある企業なのだが部署が細かく分かれていて、私のいる部署だけが法的な事情で統括部門が二つ存在するのである。直の上司の他に、部門全体をまとめるマネージャーのグループがあり、人事も仕事そのものもこの二つの部門を通さなければ承認されないのである。
簡単に言うと、一つの会社の中に小さな別会社があるような感じでそれを会社に所属する上司と、別会社を統括するボスが二人で管理しているようなものである。そして残念なことに、この二つはそれほど連携しておらず、分担された役割以外は何もわからないという状態で運営されてきた。
この二つの統括部門のうちの一つについて、年明け早々から指令系統が崩壊寸前になっているのである。正しくは一部が機能しなくなって全体に影響がかなり及び始めたというところである。きっかけは業務内容に対する頻繁な査察で、隅々まで口出しするようになったところから職場と部門担当者の関係が微妙になってきて、段々と要求水準が上がって現場がそれについていけなくなったのが今の状況である。
今月の食の新月図を見た時に、これはちょっとしばらく大変そうだなと思ったが、案の定部門の管理者が暴走し始め、上からの指示がこちら側の置かれた状況ではどうしてもその通りにできない案件がいくつか出てきた。言うことを聞けない、聞いてしまうと現場が混乱してしまうからそれはできないというような内容か、でなければできるようになるには時間がかかるのに、それをすぐやれという無茶振りかどちらかなのである。
そして21日の食の満月前後から、現場と統括部門の解離という状況が起きている。次々と出される要求や指示に全部は答えることは不可能であり、何を優先させどのように解決していくのかについて、職場全体というより個人それぞれの決断が求められるようになってきたのである。なかなかハードである。
会社は社会の縮図であり、同じような現象が私の身の回りでもあちこちで聞かれるようになっている。力や多数で押し切ろうにも、もはやそれができなくなってきたなという感じがする。そしてこれまでは命令だから、それが義務だから、そうするのが当たり前だからと受け入れられてきた事に対し、命令される側あるいは受ける側がNoを突きつけたり、私はこうしたいという明確な意思表示をし始めているのを、日常のやり取りの中にも見ることが多くなった気がする。
土星と冥王星に挟まれた山羊座の新月と、水瓶座–獅子座0度ラインでノード軸を巻き込みかつ天王星とTスクエアの強烈な満月は、表面的な変化ではなくむしろ根本からの変容をもたらしているのかもしれない。それがどこから、どのように起きるのかは個人のチャートのどのハウスに天体が入っているのかにもよるし、今いる場所のロケーションによっても変わってくるだろう。もし個が変わればそれは全体に及ぶのであり、個人の無意識の領域で大係りなテコ入れが起きればそれは現実世界の出来事にも直に反映される。そうだとすれば、個人に起きることも世の中の大勢に関わる出来事も、最終的には個人の意識の持ちように委ねられているのではないかと思う。
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