ちいさなジャム工房ができるまで(3)山の工房に場所を借りる
ジャムに限らず食品を作って売るためには、保健所の許可がいります。調べてみると、許可の条件は自治体によってかなり違います。
秋田市では、当時(2020年7月)農産物の加工品の製造販売はとくに許可なくできることになっていました。自分のところでとれた野菜を漬物にしたり、山菜やきのこなんかを干したりして売るのはわりと自由で、果物を加工したジャムを売るのもそれに含まれるとのこと(2021年6月に、営業許可制度が変わって、無許可ではできなくなっています)
さて、どうしたものか。営業許可を取るためには設備が必要なのだけれど、住んでいるのは賃貸マンションで、改装するのも難しい。飲食業の経験もないし、こちらに知合いもほとんどいない。実際、とびこみで不動産屋に連絡しても、ほとんど相手にしてもらえませんでした。
とにかく、誰か経験のあるひとに相談してみないことには、このままでは先に進めないと思った私が頼らせてもらったのは、生ハム作りでお世話になっている工房のご夫婦。秋田市郊外の山の工房で生ハムやソーセージを作りながら、週末はレストランとして営業している素敵なお店です。ずうずうしいのは承知で、おもいきって連絡してみたところ、こうやったらどうかな?こんな方法もあるよ?こうすればできるんじゃない?と、ありがたいアドバイスやご提案をいただき、ジャム屋さん開業が一気に現実味を帯びてきた瞬間でした。
ジャム製造のための場所、営業許可を取るための改装、申請手続き、ひとつひとつ手伝ってもらいながら進めることができたのは、ほんとうにありがたいことでした。詳細は書ききれませんが、2021年1月に営業許可証をいただき、それ以前に私は衛生管理者にもなり、Schneehoppliの営業が始まりました。
とはいえ、秋田の1~3月は大雪が積もる時季。とりわけ、この年は積雪が多めで道路の除雪が間に合わなかったり、暴風雪で停電や断水があったり、なかなか本格稼働ができなかったのですが。
雪のあいまに工房に通い、家ではネットショップ開設の準備を進めた冬。ようやく2021年3月、STORESにSchneehoppli(シュニーホプリ)のショップを開くことができました。
Schneehoppli ってなに?なんて読むの?と、よく聞かれるので、そのお話は(4)にて。