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ゴミ拾い雑感 第12回「私人逮捕系YouTuber逮捕までの系譜」

少し前に私人逮捕系YouTuberというジャンルの人が続けて逮捕される事件がありました。
私人逮捕系YouTuberの動画自体私は見たことが無いのですが、
街場で痴漢などをしている人を捕まえて警察に突き出す、
そんな一連の様子を動画にしてYouTubeに投稿するという物だそうです。
逮捕されたYouTuberについては、
批判的なコメントをした他のYouTuberに迷惑行為をするなど、
私人逮捕行為そのもの以外にも問題があったという要素もあったようですが、
私もこの手のドキュメンタリータッチの勧善懲悪をコンテンツとすることは、
なんとなく危ういものを感じておりました。
この手の動画の走りとしては盛り場の路上喫煙禁止地域でたばこを吸っている人に注意する、
といった類いの動画ではないかと思います。
「俺たちはいいことをしている」
ということを大義名分に、
悪人を刺激して醜悪な姿を引き出したり、
動画として公開するという脅威を背景に謝罪させたりするというもので、
なんとも趣味の悪さを感じていました。
一番有名なものとしては格闘技系YouTuberが一見弱そうに見える格好をして、
路上喫煙をしている輩を刺激して挑発し、
いざ
「このやろう、やっちまうぞ」
という状況になったところでシャドーボクシングを見せて戦意を削ぐというものです。
ある種「特命係長 只野仁」的な痛快感を狙ったものなのでしょうが、
私はこの動画になんとも言えない違和感を感じていました。
この動画がバズったのを見てこの種の動画が再生回数につながりカネになるという認識が広がり、
徐々にエスカレートして私人逮捕系YouTuberに繋がったというのが、
私の素人考えの推論です。
この種のコンテンツは撮影側がエスカレートしていくという側面がある一方で、
世間には桁外れのワルもいるためうっかり触れると生命に関わるリスクもあります。
やはり直接的な悪との対峙は警察に任せるのが賢明と思います。
私人逮捕系YouTuberが痴漢の抑止に繋がったという声も聞き、
全く無意味だった訳では無いでしょうが、
それらの問題の解決は違ったアプローチを求めるのが賢明と感じます。
そんなわけで路上喫煙防止にはまずなるべく道ばたにたばこの吸い殻が落ちていない状況を維持して、
吸い殻をうち捨てることへのためらいを醸成することが、
非常に長い道のりではあるでしょうが、
着実で安全な手段だと思います。
私は個人的な趣味ではありますが、
結果的に竹ノ塚の繁華街に少しずつでも品性が付与できたら面白いと思いつつ、
毎日会社帰りにかるくゴミ拾いをしています。

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