隠すから見たくなるんだよね
出歯亀、という言葉がある。
ようは「覗き」だ。この覗きについて興味深い説がある。
曰く、「江戸時代に覗きは存在しなかった」というものである。
どういうことか。
江戸時代には女性が胸元を隠すという習慣がなかった。銭湯は基本的に混浴だったし、女性は暑くなると上半身をはだけた。つまり、見ようと思えばいつでも見られるわけだから、わざわざ隠れて見る必要がないわけだ。
妙なことに、そういった世の中では男は女性の裸に興味を失っていくらしい。いつでも見られることで希少性が損なわれてしまった、ということだろうか。
女性が胸元を隠す、という習慣は西洋から持ち込まれたそうだ。明治になると外国の目を気にして「外で半裸でいること」を政府がやっきになって取り締まったそうである。ところが、隠すようになると今度は見たくなる、というのが人の性というものらしい。明治以降、現れたのである。
覗きが。
さて、かくも真偽のわからない説であるが、「隠すから見たくなる」というのは大変納得するところである。いっそのこと「外で半裸OK」を江戸しぐさとしてはどうか。
ちなみに、江戸時代の男性は暑くなると下半身を出していたらしいですよ。ふんどしはしてたけどね。浮世絵なんかで飛脚が尻だしてるのは暑いからなんだね。
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