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【漫画】「王様達のヴァイキング」

「誰からも必要とされない才能を持つ人ほど不幸な人間はいない」

「王様達のヴァイキング」は、天才だが社会性とコミュケーション能力が破綻している18歳のハッカー・是枝が、ベンチャー企業へ出資するエンジェル投資家・坂井に見いだされ、サイバーセキュリティの専門家として成長していく物語だ。とても面白い。

「王様達のヴァイキング」を読むと、有能と無能の区別は自分の持って生まれた能力だけでなく、社会のありようによって決まるのではないかという気がしてくる。

才能には天地人がそろう瞬間の奇跡みたいなものがあるのではないだろうか。天は社会の発展状況、地は社会的価値が認められるか、そして人に個人の能力。どれほど才能があっても実現できず評価されなければ、それは無能であるとされてしまう。

投資家ウォーレン・バフェットは人には向き不向きがあり、自身の能力を最大に発揮できる範囲には限界があると言っていて、これを「能力の輪」と呼んでいる。人は「能力の輪」の堺を知ることで失敗しにくくなるそうだ。

しかし自分の「能力の輪」が世の中のありようから外れていたらどうなるのだろう。

もし世の中に野球がないか、あってもマイナースポーツであったならイチローの名前を多くの人が知ることはなかったのではないか。

個人の社会的成功、社会的評価は個人が持つ能力だけでなく、社会のありようによって変わるのではないだろうか。そんな気がする。

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