飛騨山中を中心に現在、別名「ゾンビウイルス」と呼ばれるバキュロウイルス科ウイルスに集団感染した「マイマイガ」の大量死が相次いで目撃されている。
「ウイルスは直射日光で死滅するが、幼虫が潜む樹皮の裏や枝の下部などの直射日光が当たらない場所では、感染力が10年ほど持続するとも言われている。当然、成虫や卵にも感染するので数はこれから減る一方。マイマイガ騒動はひょっとしたら今年で一気に終わる可能性も高い」。
「白川郷や天生で鳥が騒がしいのは、豊富なエサにより鳥が増えているから。それにムクドリはマイマイガ幼虫の天敵。過去にアメリカで人為的な原因によりマイマイガが大発生した際、終息に向け一番活躍したのはムクドリだったとの報告もある」とも。
大森さんによると、高山市中心部など市街地では殺虫剤散布によるマイマイガ駆除の話をよく耳にするが、せっかくのムクドリの助けを一切断ることになるという。環境への影響や、放っておけば自然に減るものが逆に減らなくなる恐れも懸念する。