夢見りあむを応援したい

アイドルマスターシンデレラガールズの第8回総選挙にて、登場3ヶ月にして夢見りあむが3位を勝ち取った。
快挙である。全190人の上から3番目の人気を示したのだ。
しかし彼女は困惑顔でこう言うのだ。

「チョロイなオタク!! ぼく頑張ったか!? 努力なんてムダムダの無じゃん!? アイドルってなんなんだよぅ!! ……はー、めっちゃやむ」

ファンやPへの感謝の言葉ではなく、これでいいのか!? という訴え。
これを見てチョロいオタクである自分は「コイツひょっとして真面目なのでは……?」と思った。
そして夢見りあむという女の子の事ばかり考えるようになってしまった。これがアイドルを推すということ……?

それはともかく。
夢見りあむはダメな子である。ザコメンタルを自称し、承認欲求を隠そうともしない。楽してアイドルになりたいなんて言いながら、炎上してでも人気が欲しい、とまで宣う。
しかし同時に、アイドルに対してはある意味真摯な目を向けている。
曰く、アイドルはメンタルへの特効薬だとか。顔が良いアイドルしゅき…とか。努力するアイドルは尊いモノものだ、とか。
そう。彼女は駄目な自分を認識し、その上で「努力するアイドルは尊い」と言っている。
「自分は駄目だめだけど」「努力は報われるべきで、そのために頑張るアイドルは尊い」と。
そんな彼女が「努力もせずに」「総選挙3位という結果」を得た。
なんて残酷な話だろう。
アイドルに夢を見ていた彼女は、彼女自身の手でその夢を壊してしまったのだ。
だからこそ彼女は叫ぶ。「アイドルってなんなんだよぅ!!」と。

「努力するアイドルは尊い」
それはつまり
「努力しないアイドルは尊くない」
と言う事だ。彼女は、彼女自身が認めたくないアイドルになってしまった。
炎上してでも目立ちたい、人気を得たい。そう言っていたのだから、自業自得なのかもしれない。
それでも、そうやって本当に人気を得てしまった時、彼女は憤りを感じた。これでいいのか、と。
今現在、世界で一番「夢見りあむというアイドル」を認めていないのは、彼女自身なのかもしれない。

彼女はこれからどんな道を行くのだろう。
努力して、経験を積み上げて手に入れるはずだった栄光を、先に手に入れてしまった。
もう彼女に退路は無い。退いて逃げ出しても、そこには大好きなアイドルさえ否定された、駄目ダメな女の子が一人残るだけだから。
だからこそ、彼女を支えたい。傍にいてあげたい。出来るなら、Pとして共に頑張って、総選挙3位に相応しいアイドルになってもらいたい。
自分はそう、思ったのだ。

正直チョロいと思う。あのコメントを考えた運営の掌の上で転がされていると思う。
それでも、自分は見たい。
夢見りあむという女の子が、努力するアイドルは尊いと言った彼女が、頑張って頑張って――彼女自身が貴いと考える、きらきら輝くアイドルになる姿を。

夢見りあむのアイドル活動はまだ始まったばかり。まだスタートラインに立っただけのようなものだ。
随分と派手なスタートラインになったけど、彼女がこれからどんなアイドル道を行くのか――楽しみに、追いかけようと思う。

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