第1章 日本人が海外FXへと流出した背景
この章では、国内のFX会社ではなく、海外のFX会社を選んでいる理由について私の観点からお話していきます。
日本人が海外FXを選ぶ理由3点
①国内FXを使うメリットが低下し、海外FXを使うデメリットが改善されていること。
②海外FXには独自の魅力的なサービスがあり、投資リスクを下げながらリターンを得るためには、海外FXを利用したほうが効率よく資産運用できること。
③金融庁の規制が国内FX業者の自由を奪い、グローバルでの競争力を弱めたこと。
国内・海外FXの「レバレッジ」「約定力」「サー ビス」を比較しながら、日本人が海外FXへと流出した背景を解説していきます。
国内のレバレッジ規制
現在、国内FXの最大レバレッジは25倍です。以前は国内でもハイレバレッジの取引が行われていました。
一攫千金を夢見る個人投資家が多く、ギャンブル感覚で取 引した結果、借金になるケースや、出金拒否によって利益を口座から引き出せないといったトラブルが社会問題になることもありました。
数百倍のハイレバレッジの取引では、短期間で多くの利益を狙うことができる反面、損失も大きくなります。
金融庁によるレバレッジ規制は、2010年に最大レバレッジ50倍、翌年の2011年に最大レバレッジ25倍です。
レバレッジ規制は、投資リスクを低下させる効果があります。その反面、FX自体の魅力を低下させ、 ハイレバレッジで取引できる海外FXに鞍替えするトレーダーが多くなります。
つまり、国内FXで取引している個人投資家は、レバレッジ25倍の制限ができたことでFX取引の魅力が半減し、ハイレバレッジで取引できる海外FXへと流出する傾向があります。
スプレッドの拡大やスリッページの多発
スプレッドやスリッページは、FX取引の「実質の手数料」 になるため、スプレッドは狭いほどコストが減り、スリッページは少ないほど有利なポジションで売買できます。
ただし、重要なのは約定力です。国内と海外FXには「DD方式」と「NDD方式」という、約定力における根本的な違いがあります。
DD方式とは
・DD方式は、顧客とインターバンクの間にFX会社のディーラーを挟んで取引する方法。
・日本のほとんどのFX会社が採用。
・インターバンク とよばれる為替市場で、直接的に取引する「カバー先の銀 行」からレートの提示を受け、それをもとに顧客にレートを示す。
・インターバンクに直結していない仲介方法。
NDD方式とは
・顧客とインターバンクの間にFX会社のディーラーを挟まない注文方法。
・注文は直接インターバンクに流れる仕組み(インターバンク直結型)
DD方式とNDD方式の違いについて
NDD方式はインターバンクに直結しているので、インターバンクから配信された生のレートのまま取引できます。
DD方式はFX会社のディーラーを経由するため、インターバンクの生のレートとは差が生じてしまいます。
またDD方式は、相場が荒れたときのスプレッド拡大やスリッページにより、根本的に投資家が有利な取引になりません。投資家の注文をFX会社が受けることが原因ですが、投資家が負けることによって、FX会社の利益につながるのがDD方式です。
ここで重要なのは、NDD方式はFX会社のディーラーを経由せずレートが操作されることもないので、投資家が払う取引コストはスプレッド分だけになります。
つまり、NDD方式を採用するFX会社の手数料は、取引量におうじた一定のスプレッド差額のみとなるので、出来るだけ有利な取引環境を提供して、投資家により多くの取引量 をしてもらうことが利益拡大につながる唯一の方法となります。
国内と海外FXの根本的な違いとして、海外FXは「投資家の取引量が多い」と利益が増え、国内FXは「投資家の損失が多い」と利益になる仕組みです。
つまり、NDD方式を採用している海外FXにとっては「投資家には追証を気にせずに、ハイレバレッジ取引を多くしてもらいたい」 というのが本音です。
金融庁の規制による競争力の低下
レバレッジ規制により、国内FXの競争力が低下しています。スワップポイントやスプレッド、カスタマーサービスなどで差別化をはかっている現状です。
国内FXのスプレッドは今よりもずっと広く、スリッページやスプレッドの異 常な拡大、約定拒否など取引上の不安が目白押しでした。しかし、レバレッジ規制により、そういった顧客サービスの充実へとシフトしていきました。
なお、スプレッドが1,000円以上という破格の時代もありましたが、今では国内FXのスプレッド競争が激化し、ついに米ド ル/円のスプレッドが0,3銭にまで狭くなっています。
スプレットが狭くても結局は、スリッページ分だけマイナスになります。その点、海外FXのなかでも約定力に定評がある「XM」は、実際に使ってみると納得のレベルです。XMでは、2010年よりリクオートなし、約定拒否なしの注文方針を採用しており、全注文 の99,35%を1秒未満に執行しています。
また最近の傾向は、システムトレードの開発など、自動売買ツー ルに力を入れる流れも強まっています。国内の大手FX会社 は、低スプレッド・高スワップ付与率・カスタマーセンター 24時間対応・安定の約定力など、レバレッジ以外のサービ ス向上に努めてきました。
しかし、スプレッドの狭さやスワップの付与率には限界があります。そこでFX取引の自動化に向けて、より高性能で使いやすい自動売買ツールの開発・提供によって、口座開設数の増加を目指しています。 今後、国内FXのレバレッジが最大10倍に規制された場合、 国内FXは低レバレッジの自動売買、海外FXはハイレバレッ ジの裁量取引と使い分けられる時代になるかもしれません。
つまり、国内FXは規制によって安全な環境で取引できる一方、低いレバレッジしか利用できないため、肝心のユーザー ニーズに応えられない状況です。
他方で海外FXはハイレバ レッジの取引ができ、安全性についても改善してきているため、海外FXを利用する日本人が増加している傾向です。
次の第2章では、「海外FXのハイレバレッジや独自サービスの魅力」について紹介します。
スキャルピングのテクニックや海外FXの活用方法について、こちらのサイトも参照して頂きたいです!
「スキャルピングFX大辞典」 https://scalping.tech/
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