よりよく生きる その7
コーチのSさん主導のコーチ・フォーラムは数百名の参加者を集め、文字通りの大盛況でした。
私自身は、そのようなイベントの開催に携わったことがなかったので実感がなかったのですが、今振り返るとコーチング関連のイベントをあのような規模で、しかも熊本という地方で開催できたというのはすごいことだったんだなぁと思います。
幸いにも、このような大規模なイベント運営にいきなり参加させてもらったおかげで、その後自分(たち)でいろんなイベントを立ち上げることへの抵抗感がなくなったのだと思っています。
イベント当日、私はスタッフの一員として運営に携わりましたが、私にとって忘れられない“やらかし”がありました。
それは、イベントの運営に関わることではなく、イベント中に連絡してきた会社の部下とのやり取りに関してです。
その当時会社の仕事の方も忙しく、本来であれば休日出勤の必要があるくらいでした。
なので、休日出勤を予定していた部下に対して「もし連絡が必要なときは、イベント対応しているのでお昼休み時間帯にして欲しい(お昼時間帯であれば連絡していいよ)」と伝えていました。
そして当日の(会社の)お昼休み時間帯のこと、一人の部下から携帯(その当時はまだスマホではなかったはず)に連絡が入りました。
大きなイベントには多少のトラブルは付きものです。
スタッフはインカムを付けてやり取りしていましたが、いろんな指示、依頼が飛び交っており、私自身も相当バタバタしていました。
その状況下で、私は部下に対してイライラ感を隠しもせず「今忙しくて相手してられない。後にして!」的な対応をしてしまいました。
「この時間なら連絡していいよ」と言っていたにも関わらず…です。
そう言ってしまった瞬間「あっ、やっちゃった」感はあったものの、覆水盆に返らず。
後の折り返しの電話でも、週明けの仕事場でも直接謝りはしましたが、未だに苦々しく思い返すくらい自分にとっては大きな“やらかし”でした。
そのときにはわからなかったのだけど、この事件での自分の課題は、何でもきちんとやろうとし過ぎることにあったと思います。
自分に与えられた役割をきちんと全うしたいとの強い思い。
それ自体は自分の強みでもありますが、その思いを強く持ちすぎてしまうと自分に余裕がなくなり、今回のように良くないことを引き起こします。
振り返って冷静に考えれば、部下からの電話に対してその瞬間やっていることを脇に置いて対応したとしてもイベントへの大きな影響はなかったと思います。
すべてはきちんとやりたいとの思いが強すぎるがゆえの過ちだったのです。
この頃は、失敗を繰り返しながらこういういろんな自分の課題に気づいていく時期だったと思います。
そういう意味では必要な時期ではあったと思います。
いろんな人に迷惑を掛けてしまってはいたけれど…。