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物語のある地域

研究対象とする地域がなんとか決まって一旦落ち着きました。

今まで色々な地域を見てみましたが、どうしても飽きてしまったり、興味を失ってしまったりすることがよくありました。

「研究をするには地域に取り憑かれなくてはならない」というのが教授の口癖で、コロコロ対象地域を変える私を否定はしませんでしたが、そろそろやばいよという雰囲気は感じていました。

そして、やっと決まった地域が福島県只見町でした。
実は大学院の入学当初からずっと研究したいと言っていた地域だったのですが、福島の奥地で豪雪地帯のため簡単に行くことができないため、保留になっていました。

でも、他の地域を見てみても、やっぱり只見町が良かったのでひとまず対象にすることになりました。
私がここまで只見町に惹かれる理由は圧倒的な物語性でした。

他の地域の事例は突発的というか社会的な流行?に惑わされている部分を感じていました。町史を見ると時代によって町で推しているものや、地域づくりの考え方が変化している印象でした。それはそれで柔軟なので良い事例なのですが。

一方、只見町は良い意味で森林資源しかありません。
森林を時代の変化に合わせながら変化させて地域を築いてきたのです。

簡単にいうと、前者は武器も戦略もコロコロと変えてしまっているのに対して、後者はずっと同じ武器で戦略を変え続けています。

ここにすごい面白さを感じていて、さらにずっと武器が森林ということはそれだけ共生関係が築けていることなのだと思います。
地域を資源としてだけで見ているのではないというのが私の考え方に刺さったんですよね。

町の武器を自覚して変化し続ける社会に対応する
地域は資源生産の場ではなく自然環境と共生する場所
都市を追うのではなく、自らの幸せを追う

こんな只見町から見える姿が今後の日本においてとても大切になるのではないかと考えています。発展ではなく幸福を追うこと。

ただ、この地域の地域づくりについての研究がほとんどありません。
それが懸念点です。やっぱりお手本がないとできない。

でも、絶対この町を知ることは大事だと思います。
これは絶対に、絶対絶対。

最近、夢にも只見町が出てくるのでこれは取り憑かれているに間違いないと思われます。

読んでいただき、ありがとうございました。


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