堺シュライクス〜とあるファンの目から〜トライアウト編
前回までのあらましはこちら
トライアウトが始まる
和歌山ファイティングバーズの完全優勝で2018年のBFLは幕を閉じた。
そこからほぼ1ヶ月ほど。11月9日。堺シュライクスのトライアウトが行われた。
誰が受けるとか、そんな事前の情報は一切なかった。見学のために南港中央球場に向かった。
球場に着くと、いた。トライアウトの受付をしようとしている野井優星と鉢合わせた。野井は2018年シーズンから和歌山に入団。そこそこ試合に投げており、リーグ代表選抜にも早くも選ばれた選手だ。チャンピオンシップでは勝利投手にもなった投手。そんな選手が受けに来るのか。ものすごく驚いた。
球場に入ると、グラウンドに松本オーナーに夏凪球団代表、そして大西宏明監督と藤江均コーチが。大西監督は松本オーナーとキャッチボールをしている。藤江均コーチはなぜかバットを持って素振りをしている。今思えば鬼軍曹Fの予兆だったのかもしれない。
「悔いを残さないように必死こいてやっていきましょう!」
そう大西監督が檄を飛ばして、トライアウトが始まった。
なんだかゆるい
しかし始まってみるとなんだか違和感がある。
元々BFLにいた選手たちが固まって談笑したりしている。とてもではないがトライアウトというような空気ではない。
50m走も遠投も淡々と進んでいく。
50m走での出来事だった。1人走る人が足りないということで「もう一人走りたい人はいませんか?!」と夏凪球団代表たちが選手に問いかけるも、誰も走ろうとしない。こんなの大チャンスじゃん。なんでアピールせんのよ。
「人生をかけるってこんなもんなの」とスタンドから正直に思ったのを覚えている。(顔見知りの選手もいるので申し訳ない)
そんな中で光った人
そうなると実力でわかる人に目がいく。
遠投でえげつない距離を投げた選手がいた。安積拓人と関口聡。なんとか名前がわかって、こんな人がリーグにいたのかと思った。
松本聡がシートノックで大声を出す。野井優星がブルペンでキレのあるボールを投げ込む。そういった人に自然に目が行った。
後から名前がわかったが、神原裕司がスタンドに大きな打球を飛ばしていく。
この選手は応援していこう。そう思ったところだった。
大西監督からの厳しい言葉
「今日で人生が変わるかもしれないというのに、必死さが感じられなかった。」
リーグ2回目のトライアウト後に大西監督が語った言葉だ。
三田のトライアウトは見ることができなかったが、2回目に豊中で行われたトライアウトはやはり緊張感と無縁の空気があった。
それを合格発表前にあえて大西監督が語った。その選手はどう思っただろうか。
そして私は思った。ちょっと大丈夫なのかなぁ。と。
3度目のトライアウトで丹羽竜次が合格した。半月後にチーム全体の練習が始まる。
どうなるんかなぁ。と思いつつ、トライアウト会場の花園を後にした。
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