衝撃に備えるために中国アニメーションをみた結果衝撃に備えられませんでした

かなりいろいろありつつもオリンピックが(無事に、とはわたし個人には言えないが)開幕し、日々テレビはオリンピック一色である。

しかしながら、正直オタクはそれどころではない。
なぜならオタクの心情は今月の頭から、いや今年の頭からずっとこのような状態であるからだ。

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できることならこのプラカードを掲げて入場したかった。

佐久間大介さんが声優として初めてダブル主演をされる中国映画の「白蛇:縁起」日本語吹替版がいよいよ今月末7月30日から公開される。

吐きそうです。(喜びのあまり)

HPに書いてある通り本作は中国で2019年に公開された作品で、(ガバガバ日本語で大変恐縮だが)大ヒットを記録しかなり高い評価を得ているとのこと。ちなみに字幕版は、上映館に限りはあるものの2019年9月に日本でも公開されているそう。

2月12日に佐久間大介さんが主演をされるとの情報が解禁されてからというものの、オタクは気が気ではなかった。字幕版なんとかして見れないものかと思っていた。衝撃に備えなければならない。

いやでも佐久間大介さんはネタバレ反対派だしな……いやでも佐久間大介さんの吹替主演映画を初見でみるのはあまりにもあまりにもハイリスクすぎる……いやでももうなんか、もうなんでもいいので心の準備をさせてくれ……(限界うるさオタク)

そんなことを思い悩んでいる最中、以前からTwitterをフォローしていた都内のミニシアターで中国アニメーションの上映があることを知った。

オタクは思った。

ナタ転生、絵柄が白蛇と似てる…?

調べたところナタ転生は白蛇:縁起と同じ制作スタジオの作品で、監督も同じ。(白蛇は監督が2名だけど)古くからの伝説をモチーフにしているところも共通点として挙げられる。

観に行こう。(即決)


中国アニメーションというものを全く知らない状態だったので、中国アニメの雰囲気を知ることができるせっかくの機会に巡り会えたことがうれしかった。しかもNoネタバレ(重要)。

緊急事態宣言が明けてすぐ観に行ってきた。

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※永遠にアクスタにピントが合わせられなくて死ぬ

ロシャオヘイ戦記→ナタ転生の2本上映。2作品とも字幕版。

この写真を撮っていた頃は、あくまでオタ活のつもりで、中国アニメってどんな感じなのかな〜、というくらいののほほんとした気持ちだった。

この写真を撮っていた頃、則ち鑑賞前の話である。

ちなみにこの前日何故かど深夜まで夜更かしをしており、映画が始まる直前までいつでもどこでも眠れますよくらいの勢いで睡魔に襲われていた。なんなら席についてからちょっと寝た。

事前にちょっと寝たからかもしれないけど、いやそれだけじゃないな。

全然眠くならないどころか、バキバキに目が冴えてしまった。

完全に夢中になってしまったからである。

衝撃に備えるために見に行ったつもりが、衝撃に備えられませんでした。


わたしはここで見ることができた2作についてしかわからないので(日本アニメもいろいろなストーリーや設定物があるのと同様)中国アニメとはこういうもんだ!などとまとめることはできないのだが、たった2作からとは思えないくらいの魅力を感じとることができたので、やはりこの2作は中国アニメの魅力がぎゅっと詰め込まれた作品なんだろうな、と思った。

絵柄が異なるのでビジュアルをパッと見たときは印象がかなり違うのだが、いざ映画を鑑賞してみると共通点がとても多かったように思う。映画にそこまで詳しいわけではないのであくまでオタクが上記2作品を鑑賞した印象としてざっと下記の通り。

1、ストーリー展開がわかりやすい

2、テンポ感

3、キャラクターの濃さ

4、アニメーションの緻密さ

5、神話的要素

1、ストーリー展開がわかりやすい
先ほど公開された白蛇の映画冒頭シーンをみても同じように感じたが、ストーリー展開がわかりやすい。伏線はあるにしても時間軸などが変に捻られていないので、素直にスクリーンに映る映像を順を追ってみれば内容が理解できる。ロードムービーものが多い。あらすじを読む感じ、白蛇もこの辺りは共通しているのかもなあ、などと思う。
ストーリー展開がわかりやすいということはすなわちキャラクターにも感情移入しやすいわけで、結果後半でえげつなく泣く羽目になる。ロシャなんかはもう中盤あたりからズビズビ泣いてしまった。
あとこれは後半にも書くけれど、この展開のわかりやすさ、日本人として見る上でメチャクチャありがてえな、、、と思った。中国の伝説や説話にまつわる知識がある人はまた違うとは思うんだけど。無知オタクなのですみません…。

2、テンポ感
ストーリー展開と重複する部分もあるが、テンポ感がメチャクチャにいい。物語の緩急がかなりはっきりしている印象。コミカルなシーン、バトルシーン、しっとりしたシーン、それぞれセリフの掛け合いだったり音楽だったり映像そのものだったりのスピード感が全然違うのでいい意味でジェットコースターに乗っているような気分であっという間に時間が過ぎる。もちろんジェットコースターの如く感情もぶんぶん振り回されるので精神力を要する。さらには映像の迫力もえげつないので体力も要する。ちなみにどちらの作品も見終わって最初に頭に浮かんだ感想は「つ、つかれた、、、」です。(褒めてる)

3、キャラクターの濃さ
白蛇の吹替版キャストが発表されたときに多少のアニメ知識のあるオタクは皆「全員主演か?」と思ったことと思う。(また主語がでかくやってしまった。すみません。主語がでかいやつは何やらせてもダメ。)わたしのようなかなり古の時代を生きたアニオタが見てもわかる声優陣。声優陣、では足りない。豪華声優陣、である。ロシャオヘイ戦記の吹替版キャストを見たときも同じような感想を抱いた。
そして作品をみて思うこととしては、全員主演か?というのは声優さんに限った話ではなく各キャラクターについても同じことが言えるということである。それくらい、脇役までキャラクターが際立っている。
特にメインどころのキャラクターに関しては素人目に見てもかなり設定が作り込まれているな…と感じた。
もちろん主人公はいるんだけど、他のキャラクターも主人公の物語の中の人物として存在しているのではなく、それぞれにこの物語で切り取られている部分に至るまでの背景や人生がしっかりあったうえで主人公と交わっている。表現が適切ではないかもしれないけれども「偶然この作品では主人公が主人公だったにすぎない」と思えるくらいには他のキャラクターにも物語がある。
n度目の「もちろん」を発動させてしまうが、もちろんそれは主人公も同様。全員のキャラクターが濃い上で、主人公の主人公感も強く出ているので、決して埋もれてしまうようなことはない。
その濃いキャラクターたちがぶつかったり交わったりするからこそ、加速度的に物語自体がおもしろくなるし、登場人物全員が愛おしく思える。(ナタはHPにもある通り救いようのない悪役が出てくるのでアレだが)

4、アニメーションの緻密さ
これはもう白蛇の予告映像を見ていただければ一目瞭然っちゃ瞭然だが、目を見張るほどの映像美である。

ロシャはふつうの(ふつうの?)2Dアニメーション、ナタは3DCGアニメーションなので映像の種類が違うのだけれどもどちらも動きが繊細で、本当に盛らずにずっと見ていられる、のやつになってしまいました。ずっと見るには物語の内容がヘビーなのでずっとは見続けられないんだけども…。(は?)
物語自体もおもしろいけれど単純に映像が綺麗で目が釘付けになる。ナタにいたっては3DCGなのでもうかなりの頻度で「実写?」になる瞬間があった。ほぼ実写なのにCGアニメということで実写ではありえないアクションや映像効果が満載なので迫力がえげつなくてもうええじゃないか乗ってるくらい疲れます。(褒めてます)
映像の繊細さでいうとアニメーションとしての動きの細やかさはもちろんなのだが、わたし個人としては登場人物の仕草がとても細かく丁寧に描かれていたのが印象的だった。
きっと実写の映画だったらト書きには書いてないだろうな、という、例えばムゲン様がシャオヘイの襟元の皺を伸ばす動きだとか(そこばっかり言うオタク)そういうちょっとした仕草がそれぞれの登場人物の性格・人柄に関する説得力を強めてくれている。言葉よりも仕草に本当の性格は出るからね。何が言いたいかってオタクはムゲン様が大好きなんです。(完)

5、神話的要素
神話的要素、というのは全然上手くない日本語な訳なんですが、2作品みて思ったのは、中国では古くからの伝説や神話が今も強くリスペクトされているのだろうということである。日本だとこの色ってあまりない印象(少なくともど田舎に住んでいるわたしにとっては)なので、中国ならではなのかなと感じた。
わたしは中国の文化圏に身を置いたことがないので、中国でこういった説話や伝説がどのように語り継がれ、どれくらいの重みを持って取り扱われているのかが感覚としてわからないのだが、この2作品を見たときに「これ話のベースになっている説話について日本だと浦島太郎とか桃太郎くらいには見る人が話の内容を知っている前提なんだろうな」という感想を抱いた。
神話的な要素もあるわけなので(というかナタは少年神だし)わたしが上にあげた"昔話"のノリよりはどっしりしたものとして取り扱われているような気もしないでもないけれども……。話のベースを知っていたほうが楽しめるんだろうなあと思いながら物語を追っていた。ロシャは物語自体はオリジナルだけれども、ナタをモチーフにしたキャラクターが出てきたので、やっぱりこの辺り(どのあたり)のお話は中国では非常にメジャーなんだろうなと思う。

※わたしが勉強不足なだけで知っている方からしてみたら何を言うとるんというお話なんですけど本当にそれはすみません以外の言葉が出てきません。

かといって白蛇伝について事前に調べるか調べないか、については個人の判断に委ねられているわけですが……(調べかけて死にかけオタク)

この個人的にあまり日頃馴染みのない神話性がファンタジー色の強い物語をより神秘的なものにしていて、上述した映像美も相まって2時間異世界に迷い込んだかのような心地にさせられる。そしてできればもう少しこの空間にいたいと思わされる。夢見心地なのである。

まああの、白蛇はまだ見てないんですけどね。

今回の白蛇伝はわたしも名前だけは聞いたことがあったので日本でも知っている人は多いかと思うのだが、封神演義とかもうなにそれ〜🌀歴史とかに出てきた〜???🌀レベルだったので、シンプルに知っていた方がよかった。ただ上述した通りストーリーの組み立てられ方がメチャクチャわかりやすいので映画の内容自体がわからないとかそう言うことはなかった。ただちゃんと理解していればもっと色々な伏線に気づけたのかもなあと言う気持ち。


だらだらと書いて参りましたが、ロシャオヘイ戦記とナタ転生を見たシンプルな感想としまして、

中国アニメーション、メチャクチャいい。(偏差値2)

それはそう、という話になってしまうが、日本のアニメとはまた違う雰囲気があって、でもやっぱりメッセージ性は国を超えて通じるものがあって。
佐久間大介さんが吹替をしてくれなければオタクはロシャオヘイ戦記もナタ転生も白蛇:縁起も見ることはなかったと思うので、こういうあたらしい美しい世界をオタクに教えてくれて、シンプルにありがたいなと思う。いつも散々幸せにしてもらっているのに、またあたらしい世界を教えてくれてありがとう佐久間大介さん。

そしてまだ白蛇本編は見ていないけれども、2作品見た中で上に散々挙げたように日本のアニメとの雰囲気の違いとか感じる部分がすごくあったので、
この作品と向き合ってはじめてのW主演声優として宣に声を吹き込んだ佐久間大介さん、本当にすごいと思う。

親しみ深い日本アニメーションではなく、非日常的なファンタジー作品で、通常のアフレコではなく吹替、という状況、よくよく並べて考えてみたら声優経験が初めてでなくてもメチャクチャ高いハードルを超えまくっていると思う。

ただでさえ難しい作品に、佐久間大介さんはゲストとしてではなく、初めての主演声優として挑んだのだ。

とんでもねえお話である。佐久間大介さんが抱えていたであろうプレッシャーはオタクなどには想像すらできないレベルである。

でも、収録を終えてから共演した名だたる声優さん方のコメントやアニメ誌に綴られているあたたかい言葉を見るに、オタクはまだ作品を見ていないけれども、ああ佐久間大介さんはその外野には想像もできないプレッシャーや不安を跳ね除けてしっかりやり切ったんだな、オタクは佐久間大介さんのオタクであることを胸張って映画館に向かうだけだな、と思わせてくれる。

佐久間大介さんはいつだって過程だけに頼らず結果を出してオタクに見せてくれることでオタクを安堵させてくれるので本当に心強い推し(心強い推し?)だなと思う。
あまりにもストイックな姿勢を見ているとオタクは「自分を追い込みすぎないでくれ〜」と時折不安にもなるがスーパーアイドル佐久間大介さんの自己管理能力はオタクの不安を一蹴するほど高いものなので実際には何の心配もいらない。
オタクは佐久間大介さんの切り開く道を信じて札束握りしめてついていくだけなのである。

佐久間大介さんの声優としての大きな一歩だよ、とんでもねえよ。この瞬間を佐久間大介さんのオタクとして迎えられてよかった。そしてこれから、アイドルだけじゃなくて、声優・佐久間大介さんのオタクにもなれるんかな。楽しみだ。また新しい楽しみをオタクにプレゼントしてくれて本当にありがとう佐久間大介さん。


こういうだらだら文章はいつものことになってしまっているが、「白蛇:縁起」上映前にまとめておこうとずっと思っていたのでギリギリ土壇場で書くことができてよかった。
予習のつもりで見た2作品だったけれども、見終わって完全に作品自体のファンになってしまった。特にそのあと見返したわけでもないのにこれだけ長々と感想が書けているあたりで、(伝わっているいないはさておき)オタクにかなりの衝撃を与えているということ自体はお分かりいただけることと思う。そもそもこんな長いnoteは誰も読まん。すみませんでした。(定期)

いよいよ公開が近づいてきた。
オタクは先日公開された冒頭の映像→縁 -YUÁN-の流れでもうボロ泣きしてしまいました。映画館で100分見れるんか?あ?(あ?)

長い、長すぎる。いつもすみません。

終わります。

結局オタクが何が言いたいかと言うと、

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なので全員見てください。


おしまい


※プラカードをお借りしました…



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